主人公の超高校級の才能は何ですか?

「そういえば、みょうじさんっていつもお昼ご飯のあとって十神クンと何してるの?」



ある日のお昼休み、私がお弁当をもそもそと食べていると、苗木くんが話しかけてきた。



「えー苗木ィ〜、オマエ、みょうじと十神がカレカノだからってそういう事聞いちゃう訳ぇ〜?」


「ふっ!不健全だぞ!!!」


「そっ、それは違うよ!!僕はただ、純粋に………ごめん、みょうじさん、そういうつもりじゃ無かったんだけど……」



ニヤニヤ笑う桑田くんと、顔を赤くしている石丸くんに、苗木くんは慌てて言葉を返した。




「ううん、大丈夫だよ。あ、そうだ。何なら着いてくる?」



「えっ!?で、でも、お邪魔じゃないかな……?」



「別に如何わしいことしてる訳じゃないから、大丈夫だよー」



お昼ごはんを食べ終わった私は、早速苗木くんを連れて、十神くんのいる情報処理室に向かった。









みょうじさんに連れていかれた情報処理室では、十神クンが自分のノートパソコンで何かをしていた。
たぶん、十神クンは、十神財閥の自分の仕事をしているんだと思う。




「なまえ、遅い……何故苗木までいるんだ」


「私が連れてきたの。ご飯食べたあと私と十神くんが何してるか知りたいんだって!」


「フン、何かと思えばそんなことか。くだらん」


「あ、あの、やっぱり僕、邪魔かなぁ……」


「別に貴様がいたところでどうでもいい。………なまえ、やるぞ」


「はーい!」




そういうと十神クンは、30枚ぐらいの分厚い資料をみょうじさんに渡して、みょうじさんはそれをパラパラと捲って目を通した。



「あれ、今日は意外と少ないね」


「あぁ、外資系企業はこっちの資料だ。こっちはドル、ユーロ、元、ペソだから、後でしてもらう。」


「ひょっとして私のために分けといてくれたの!?」


「そんな訳あるか。ただの気まぐれだ」


「(´・ω・`)………まぁ、いいや。じゃあ、始めるね!」



そういうとみょうじさんは、腰のベルトになってるホルダーから、算盤と電卓を取り出して、右手に算盤、左手に電卓を構えて、二つを一気に使い始めた。



「願いましてはーー」



そこからは、一瞬だった。



呆気に取られてる僕を横目にみょうじさんは、普段のからからと笑っているみょうじさんとは、似ても似つかない真剣な目つきで算盤を弾き、電卓を鳴らす。
その光景と算盤と電卓の音に息を飲む。




―――パチン



「ぷはーっ……算盤と電卓、どちらも占めて、3兆飛んで46億5743万9632円になります」


「よし、じゃあ、次はこっちだ」


「うげ、ユーロ計算苦手なんだよなぁ………」



「………!?」



一瞬、何が起こったのか本気でわからなかった。

みょうじさんが、算盤と電卓、どっちも使って、まるで、コンピュータみたいに、正確な計算を、していて。しかも、兆とか、億とか、僕みたいな一般人には普通は聞かないような単位まで。




「…………凄い」


ポツっと出た言葉に、みょうじさんを眺めていた十神クンが反応した。



「フン、この俺が手伝わせているんだ。失敗など許さん」






これが、みょうじさんの、才能。

超高校級の、"会計士"






answer:超高校級の"会計士"

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