主人公の玩具系男子、ネタバレでなければ残りの方々のプロフィール的なものを教えてください!



「……ねぇ、なまえさん。」


「なんですか?凪斗先輩。」


「いつも思うんだけどさ、ボクや、桑田くん以外のキミの玩具って、どうやって知り合ってるの?」


「だいたいは凪斗先輩と同じ感じですよ?なにか頼みごとをしたら、必然的に距離が近くなって、そのまま致してしまうっていうケースがほとんどです。」


「ボクなんかがなまえさんのことにいちいち口出しなんて、図々しいにも程があるなんて百も承知だけれど……2人目の男なんて、あの厳格極まりない、図書室の司書なんでしょ?」


「はい。仮にも私は図書委員なので、あの人と話す機会は普通にあります。まぁ、図書室は私語厳禁がモットーなので、話なんて在庫処分の時にしかしないんですけど。……その在庫処分の時に、私が本棚の上のほうにある本を取ろうとして、まぁ届かなかったんで、彼が後ろから取ってくれたんですけど……どういうわけか、覆いかぶさるように抱きしめられまして。」


「あぁ……。そこからは、まぁ、想像はつくよ。」


「はじめはびっくりしましたけどねー。私は確かに超高校級の図書委員ですけど、彼が私のことをそういう対象に見てるとは思いませんでしたし。何より、"図書室の鬼"の異名がつくほどの人でしたから。」


「3人目の彼は、家に泊まりに行くほどの仲なわけ?」


「桑田くん以外の家にはもう泊まってると思います。あの彼は……どうやって知り合ったんだっけ?……あぁ、確か、行きつけの古本屋の店員で、レシートの裏に携帯の番号書かれたのを渡されてしまって。」


「連絡したの?」


「するわけないじゃないですか。しないまま、またその古本屋に入荷した本を取りに行ったら、バックヤードに通されて、なんで連絡くれないんですかーからの告白からのレイプ紛いでした。ねちっこいの苦手なんですけど、気持ちよかったので、つい。」


「……そのまま関係を繋げてるのが、さすがだよね、なまえさんは。」


「それほどでもないですよ。4人目の彼との関係は切れるんじゃないかと思ってます。4人目の彼とは、勢いから関係を持ったようなものですから。」


「勢い?」


「以前父が勤めていた、海外の王立図書館……たしか、ノヴォセリック王国?だったかな?」


「うちのクラスのソニアさんの出身国だね。」


「その王立図書館の館長さんの息子でした。」


「え、じゃあ、外国人?」


「はい、父の様子見にノヴォセリックに行ったんですけど、なんか一目惚れされて、何故かその人の酒盛りに付き合わされたんです。未成年だから、お酒は飲めないです、って言ったんですけど……気づいたらベッドでお互い裸でした。」


「そこから、ズルズルと?」


「こっちに帰ってきたときは、よく月に2、3回、ノヴォセリックまでのチケットを渡されるんで、それでわざわざ会いに行ってたんですけど、流石にめんどくさくなったから、もう会わないって言ったら、今度は彼がこっちに来て。まぁ、最近は向こうの仕事が忙しいみたいなので、連絡はとってません。」


「海外にまで玩具くんがいるなんて、流石だよ!君に二つ名で"超高校級の娼婦"とでもつけたいくらいだ!」


「それ、貶してません?」


「ボクごときがなまえさんのような希望の象徴を貶すなんて、あるわけないじゃないか!……むしろそんな風に聞こえてしまうように言ってしまったボクなんて、万死に値するよ……」


「(もうほっとこう)5人目の彼は、雑誌の取材で知り合ったんです。"超高校級の図書委員"の私と、世間でも有名な小説評論家の彼が、ひとつの本について対談する、っていうコラムを連載でやってたんですけど、その時に仲良くなって。はじめはプラトニックな関係だったんですけどだんだんボディタッチとかが増えてきて。コラムの最終回を迎えたあと、二人で打ち上げやることになって、とうとう一線越えちゃいました。」


「あぁ……彼が最近雑誌で言ってる恋人って、もしかしてなまえさんのこと?」


「さぁ?」


「ハハハハっ!だとしたら相当愚かだね!なまえさんは彼のことをただ、性欲を満たすだけの玩具としか思っていないっていうのに。恋人なんて、希望にもなれないくせに、高望みな上、傲慢な妄想だよ!」


「ははは……」


「6人目は……もともと通ってた高校の同級生、だっけ?まぁ、本科の生徒はスカウトされるわけだから、実質みんな転校生だし、そういう人が前の高校にいたとしても不思議じゃないと思うよ。おこがましいことこの上ないけどね。」


「前の高校で同じ図書委員だったんです。希望ヶ峰に入ってしばらく経った時に偶然会って、そこから告白されて、流されるままに関係をもっちゃいまして。」


「あわよくば関係に持ち込もうとした汚い魂胆が丸見えだよ、その同級生。……7人目は、母親の秘書だったっけ?」


「はい、私が小さい頃から母の秘書だった人で。母の仕事の書類を届けに行ったら、代わりにその秘書さんがいて。母のいない会長室でそのまま致しちゃいました。抵抗はしたんですけどねぇ……。」


「で、8人目があの予備学科の教師でしょ?」


「はい、よく本科の図書室に本を借りてた人で。それとなくカマをかけてみたら、見事に堕ちまして。なかなかにちょろい人でした。」


「ハハハハっ!!でも、キミのような希望の象徴に仕掛けられたら、ひとたまりもないだろうね。」


「まぁ、その先生との関係を桑田くんに見られたんですけどね。」


「あぁ、9人目?」


「これが童貞っていうんだから、驚きですよねぇ。」


「人は見掛けに拠らないものだよ。キミみたいにね。」






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