※希望ヶ峰時代



「おいなまえ」


「なに?日向くん」


「お前の手に持っているそれは、なんだ?」


「んふふー!日向くんのー幼少期のお・写・真でっす☆」



んきゃー!半ズボンから覗く日向くんの膝小僧かんわいいいいいい!!!

そう言いながらはしゃぐ恋人に、どういう反応をすればいいのか、全くわからない。というか、実物が目の前にいるのに、写真のほうの俺(当時5歳)に目の中のハートマークが向けられているのはなぜなのか。それは、彼女が所謂、ペドフィリア……一般的にショタコンやロリコンと呼ばれる人種だからである。



「っていうか、どうやって手に入れたんだ、その写真!!」


「え?この間日向くんのおうちに遊びに行ったときにお母さんがくれた」


「母さん……!」



いつの間にそんなに仲良くなったんだ、お前とウチの母親は……!



「だって!日向くん私の部屋のコレクション全部没収したじゃん!!」


「当たり前だ!!彼女の部屋が見ず知らずの幼児の写真で溢れかえってるのを見た時の俺の気持ちがお前に分かるのか!?」


「だからって全部没収しちゃうなんて、そんなの酷すぎるもん!せめて10枚くらい残してくれてもいいのに!!」


「それ見逃したらお前また写真増やしていくだろ!!」




たしかに、コイツの機動力の7割くらいはそういう趣味で成り立っているから、全部没収は気が引けた。だかしかし、これを見逃すと後々やばいことになると思った。
あと、俺という恋人がいながら、名前も知らないような奴にうつつを抜かすなんて悔しい、と思わなくもなかった。



「でもー、見ず知らずの幼児だったからダメだったんでしょ?だから、日向くんのショタ写真で飢えをしのごうと……」


「それは違うぞ!!あとショタ写真言うな!!!」



我ながら、こんなに叫んだのは久々である。



「あのな、俺はお前のことが心配なんだ。このままほっといたら、なまえ、お前は絶対に性犯罪者になりかねない」


「えっ、仮にも恋人をそういう目で見てたの、日向くん」


「現に俺がその被害に遭ってるだろうが。……俺は、お前の嗜好を邪魔するわけじゃない。ただな、写真には直接触れられないだろ?」


なまえの手を取り、自分の頬に持ってくる。



「でも、俺にはいくらだって触れる。俺はお前の恋人だから。」


「……じゃあ、日向くんの写真ならいい?」


「……たまになら、許してやる。でも、写真の俺なんかより、今の俺に触って欲しい」


「……うん、わかった。」



「よし、じゃあ指切りな。」



ゆーびきーりげんまん うーそつーいたら はーりせんぼん のーます


ゆーびきった



「じゃあ!!これからはショタ日向くんのお写真、動画、その他もろもろ集めを糧に生きていくね!!」



「それは違うぞ!!」





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