カポナータ


さて、私が桑田くんとえっちな取引をしてから、早いもので一週間が過ぎた。
私が桑田くんに出した条件は、ふたつ。ふたりっきり以外の時は名字で呼びあうこと、他の人にはお互いの関係を知られないようにすること。とても簡単なことだ。

あれ以来、私はまだ、桑田くんとそういうことにはなっていない。理由は、私と桑田くんの予定がかみ合わなかったこと。桑田くんは野球部の方に嫌々ながらも顔を出していたり、私だって一応、超高校級の才能の持ち主だから、セックス以外にも、意外と忙しい。



私は、超高校級の図書委員なのだ。



だから、週に一回のペースで行われる図書室の書庫整理がない限り、ほぼ毎日図書室に趣いて、図書委員の仕事に従事している。この肩書きのおかげで、石丸くんほどではなくても、私には真面目というイメージがつく。だから、この爛れたセフレを作る日々にも支障がない。真面目で従順なイメージだと、男は勘違いしやすいから。



前置きはこのくらいにして、本題に入ろう。

私はついさっき、桑田くんにメールを送った。「この前の空き教室で待っています。」と。今日はお互いのスケジュールがようやく噛み合う日で、桑田くんもきっとこの日を待ってたんじゃないかと思う。まあ、まだ桑田くんに童貞を卒業させる気はないのだけれど。だって私の楽しみ減っちゃうし。




ガラガラガラ……ッッ!!




ドアを開けて入ってきたのは、当然、桑田くんである。早いなー、まだメール送って3分くらいしか経ってないんだけど。あ、でも息切れしてる。




「ハァ……ッ!神本!」



「怜恩くん、ふたりっきりだから、もう名前で呼んでいいんだよ?」



「……知歳」



「ふふっ、こっちおいで?怜恩くん。」




後ろ手でドアを閉めた桑田くんがこっちに来て、私のところまで歩み寄ってくる。私は桑田くんの手を取って、桑田くんの唇にキスをした。



「……んっ…」



「怜恩くん、かるーく口開けて見て」



少しづつ桑田くんの唇が開いていく。ある程度開いたところで、舌を桑田くんの中に滑り込ませ、口内を舐め回していく。桑田くんの舌を逃さないように絡ませて、互いの唾液を交換するように、キスを激しくしていけば、桑田くんはくぐもった声を出した。



「ふぅ…ン……ッ知歳……はぁっ」



桑田くんのテントが張った下半身が擦り付けられるように私の太ももに当たる。本人は気づいてないかもしれないけど、桑田くんの腰、結構動いてる。




「ふふ、怜恩くん、慌てないで?」



ディープキスをしたあとに、軽い、唇が触れるだけのキス。




「じゃあ、はじめよっか。」




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