ヴォンゴレ


知歳に連れてこられたのは、保健室……じゃなくて、男子トイレだった。滅多に入らない個室の蓋を閉じた便器の上に座らされる。


「さて、怜恩くん。ベルト自分でとって?」


それとも、私が脱がせた方がいいかな?




耳元で囁かれて、ふわふわした頭が余計に熱が集まる。知歳のその声が、声を出す唇が、オレを見る女郎蜘蛛みてえな灰色の瞳が全てオレの脳みそに焼き付いて離れない。



「は・や・く!私は付き添いで来てるんだから、早めに戻らないとダメなの。イイ子の怜恩くんなら、分かるよね?」



「ふぅ……ッん……」



震える手でベルトに手を伸ばし、金具を外す。カチャカチャとなる金属音がまるで拘束具みてえでそれだけなのに余計に興奮して、俺のコンドームの中のチンコがまたゆるゆると勃起していく。
やっとの思いでベルトを緩めて、ズボンのホックとチャックをおろす。履いていたボクサーパンツがピクピクとテントを張っていた。



「あれ?また勃起しちゃった?怜恩くんは、ひょっとして、さっきの思い出しちゃった?それとも、これからしようとしてることに、想像で勃起してるの?」


「ん……ぁッッ!しゃべん、なっ…!」


「怜恩くんは、いつからそんな変態さんになっちゃったのかなあ?」


「……やッ…ちがっ!」


「違ってないでしょう?授業中にローターつけられて、皆に注目されてる中で精液お漏らししちゃうなんて……。しかも、そんな言葉だけでまたお漏らしチンポ勃起させちゃうなんて、怜恩くんは変態さん以外の何者でもないよねえ?」


「ひぁ…ッッ、んんぅ………ッ!」



「……喘いでるだけじゃなくて、何か言ってみたら?……それとも、全部本当だから否定できない?」



「あぁぁぁぁンッッ!」



掌全体を使って睾丸を揉み込まれて、もう片方の手の指先でチンコの尿道の出口を弄られて、じんわりと涙が溢れる。途端に背中がゾクゾクと快感で侵されて、自分が何を言っているのか分からなくなっていった。



「ひゃあッ、ご、めんなさ、いッッ!」



「それは、何に対してのごめんなさいなのかな?」



「ローターつけ、られてッ!ふぅン……ッ!か、ってに……気持ちよく、なって、皆、の目のッ前、で……せーえきおもらしッ!!して、ッぁぁンぅぅ!……オレはっ、みんなの前で……チンコイッて、気持ちよくなった、ヘンタイで、すッッ………ごめ、んなさいっ!」



「……そう、ちゃんとごめんなさい出来たわね、えらいねえ、怜恩くん?」



「……ふッ!ひャあああンンンン!!アッ、ムリっっ……!イくっ、またイくううううッッ!!」





最後に強く竿を扱かれ、オレは知歳の顔に精液を飛ばした。


行為のあと、知歳は何事も無かったかのように普通にトイレットペーパーで顔と眼鏡についたオレの精液を拭き取った。




「じゃあ、怜恩くん。私教室戻るね?ひとりで保健室、行ける?」



「バッ、馬鹿にすんな!それぐらい行ける!」



「そっ!じゃあね、桑田くん」




そう言って知歳は早々と男子トイレを後にした。


そのあと、俺はまた最後までセックス出来なかったことと、勢いで口走ったごめんなさいに酷く後悔するのだった。


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