仗助君は学校に行った。
私は行かない。
正確には行けない。
その学校の生徒ではないからだ。
仗助君の部屋でゴロゴロしていたが、暇だ。


「ちょっと出掛けてきますね」

「あら、出掛けるの?気をつけていってらっしゃい!」


仗助君のお母さんは優しい人。
理想のお母さんだ。
会釈して仗助君の家を出た。


歩いているとオーソンがあった。
涼もう。
自動ドアをくぐり、中に入れば快適な温度になった室内。
仗助君の学校が終わるまで時間を潰さなくてはならない。
今日は午前で終わると言っていた。
とりあえず立ち読みでもしよう。
近くにあった雑誌をパラパラとめくった。

数十分経った頃。
近くの客がヒソヒソと話し始めた。


「あれは漫画家の岸辺露伴じゃないか?」


外を見ると、ギザギザのバンダナをつけた男性がいた。
カメラを片手にキョロキョロとしている。

…不審だと思った。




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