白い巨人の名前は空条というらしい。
空条さんについていく。
さっきの住宅街に着いた。
「この家だ」
この家に着くまで、空条さんは終始無言だった。
空条さんがインターホンを押した。
人が出てきた。
私と同い年くらいの子だ。
「承太郎さん?」
「仗助、頼みがある」
「何したんスかぁ〜?」
「この子を一日預かってくれないか?」
「はぁ!!?」
夜なのに大きい声だ。
仗助君は表情も豊かだ。
「ちょっと待って下さい」
仗助君が家の中に戻った。
少しして戻ってきた。
空条さんは相変わらず無言だった。
「大丈夫らしいっス」
仗助君がビックリしてた。
私もビックリした。
空条さんは笑っていた。
口元がほんの少し緩んでいただけだが。
「良かったな」
頭に置かれた手が優しかった。
温かいと思った。
ほんの少し涙が出た。
その後、空条さんは来た道を戻っていった。
「あのよ」
仗助君に声をかけられた。
私と仗助君の目が合った。仗助君は目を逸らした。
私は仗助君を見つめた。
仗助君が言った。
「名前教えてくれねぇか?」
「なまえです」
私がぽつりと言った。
仗助が言った。
「なまえ、いい名前だな」
満面の笑みだった。
「よろしく、なまえ」
笑顔が眩しいと思った。