返却されたテストを見て、億泰は馬鹿だなあ。となまえが笑った。


「だから俺は今日から成績を上げる」


仗助と康一にそう宣言すれば奴らは顔を見合わせ、溜息をついた。


「億泰、お前まさかとは思うがなァー、なまえにテストで勝とうとしてるのか?」
「おう」
「無理言わねえ、やめとけ」
「僕もやめといた方がいいと思うよ」


ズルッと座っていた椅子から落ちそうになった。仗助も康一も薄情な奴らだなあ。もう少し応援してくれたっていいじゃあないか。そう言えば二人はまた溜息をついた。


「億泰よぉ〜〜〜?自分のテストの順位とあの子の順位、どっちが高いか知ってるか?ええ?」
「…なまえ、だなぁ」
「だろ?無理は言わねえ、やめとけ」
「私もやめといた方がいいと思うよ」
「諦めたらそこで試合終了だろぉ〜?って、アレ?なまえ?」


いつの間にか仗助の隣になまえが立っていた。呆然としていればなまえはクスッと笑いながら言った。


「私は馬鹿な億泰が好きだけどなあ」


俺は椅子ごと倒れた。





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