「DIO様」
「…お前か」
「DIO様、いつになったら私を食して下さるのですか」
「何度も言っている、まだだ」


このDIOには理解できない。赤の他人の為に命を進んで差し出す者の事が。目の前にいるこの女や他の女達がこのDIOに自ら血を捧げ、死んでいく事が理解できない。何故、奪わないのか。与える者は分からない。


「おい」
「私ですか?」
「そうだ」
「いかがなさいましたか?」
「何故お前は自らを犠牲にして私を生かすのだ」
「そうですね…」


するとその女はニッコリと笑ってこう言うではないか。


「愛する人の為ならば命すら惜しくはないからです」


理解不能だった。私には愛する者がいないからだ。

そうか、と呟けば
そうです、と女は笑った。






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