つい買ってしまった。

俺はショーウインドーに飾られた一つのアクセサリーに目を奪われた。
指輪だ。
俺には一つ決めている事があった。絶対に指輪はあげない。
そう決めていたのに買ってしまった。馬鹿な奴だと自分で自分を鼻で笑った。

俺が5年間で彼女にあげたアクセサリーは何十個もある。イヤリング、ネックレス、ブレスレットなどなど。
安物で悪いな。
そう言えばなまえは


「プロシュートの気持ちが嬉しいの、いつもありがとう」


と笑うのだ。似合う?と問い掛ける姿は天使なのでは、と錯覚するくらい可愛い。
彼女が出掛けるときにはその日つけるアクセサリーを決めてやる。アクセサリーは勿論俺がなまえにあげた物だ。選んでやればなまえは嬉しそうに笑う。

これだけ仲がいいのに何故指輪を渡さないのか。
理由は簡単だ。
俺が暗殺チームの一員だからだ。
いつ死ぬか分からない。
そんな奴と結婚したいと思う奴が何処にいると思う?
いないだろう?

だから俺はなまえに指輪を渡さない。
彼女も渡される事を望んではいないだろう。

買ってしまった指輪を机の引き出しにそっとしまい、リビングで待つなまえのところへ向かう。

口には出さないが、俺は独占欲が強いのかもしれない。

なまえが身につけているアクセサリーが全て俺がプレゼントした物で、その事実が俺を安堵させているのが何よりの証拠だ。




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