あー、さくらんぼになりたい。
なまえの口から零れた言葉に僕は首を傾げた。
「何故?」
「典明に好きって言ってもらえるから。さくらんぼじゃなくてもいいや、ゲームでもいいよ」
「なんで?」
「典明がずーっと見てくれるでしょ?」
ゴロンとベッドに横たわる彼女。
テーブルにはお皿に盛り付けられたさくらんぼ。
僕の手にはゲームのコントローラー。
どれか一つを選ぶとしたらどれをを選ぶ?
そんなの決まってる。
「なまえが一番好きだよ」
ちゃんとなまえの方を見て言ったんだけど、彼女の口からは「信用ならない」の一言。まずはゲームを控える事から始めようかな。