2012.02.16 事件ですよ


その日はいったい、何通りの意味を持って回るのだろうか。
異議あり、その声が、どこへ消えるのか。

この日はあっけなく過ぎ去る木曜日のはずであった。
バレンタインの2日後で、逃げる2月で、何の変哲もない、平日で。
まさかそれがこんなにも変貌して焼きつくとは思ってもいなかったのだ。

「わたし、なにも。でき、なくて。」
「…。」

バレンタインの日に、逃げ出して、
一人の巡査を殺したことになって、もう一度逮捕されて。
そして裁判にかけられて、でも、彼は亡くなった。
それは結局彼を救えなかったことに他ならない。
彼を信じるといって、信じてあげられなかった、その代償であった。
それは自分の技術が足りなかったのもある、
相手が新人ながら驚異的な攻めを見せたこともある。
でも、依頼人を信じるという点では誰にも負けていないはずだった。
自分が一番彼をわかっているはずだった。助けられると思っていた。

それは、あまりにも一気に裏切られた。
彼と信じ信じられる協力関係にいたはずだった。
だが彼にはより信じているひとがいて、そのひとのためにそのひとをかばって
死んでいったのだ。自分の活路を捨ててまで。

何も彼が悪いのではない。
死んだ彼の意志はわからないまでも、彼が悪いわけでは決してない。
悪いのは、彼を死に追いやったひとだ。
それは一日にして彼を殺した。わたしだった。
信じてくれといって裏切ったわたしだった。彼に死ねといった女と同罪だ。
この一日で彼を裏切り自らを殺させた。
この日さえ彼になければ彼の人生はどんなに変わっただろう。
人間が生きる分のほんの一日、砂粒一つを満たすかどうか。
そんなそんな日の何時間か、その短時間で彼は人生に絶望して死んだ。
こんなことになるなんて思っていなかった。
今日が始まる前まではこんなこと、どんなに悠々と生きてきたことだろう。

わたしと、依頼人の彼と、隣の先輩と、そしてきっと相手側の天才の彼にも
人生の転機と焼きついた。それが今日だ。一日も一年も隣に動くこともない

2012年2月16日。

それが今日の名前だ。私の初法廷は、こうして始まり終わった。



ああ逆転裁判がリアルに動き始めました。よ、ということで
千尋さん初法廷2012年2月16日が今日になってしまいました。
もう止まらないんだなあ、なんか、とめられるならとめたかったけど、
この日になってしまいました。これから、彼女が、2回目の法廷に立つまで、苦しい時間を過ごしていく、その日々を一日一日一緒に彼女の気持ちになって、踏みしめていこう、なんて思いました。この日々の長さと重さが彼女にそのままのしかかったんだなと。
あ、この週末逆転裁判を見に行くつもりです!美術セットにわくてかしてます!
ではでは。
ちょっとリアルが忙しいので今はこんなしかできませんが、また、しっかり帰ってこれたらと思います…!では!


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