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彼女の存在 (高杉→娘)


アイツが藩邸やってきて5日目。
存在もそうだが、やることなすこと話すこと全てが新鮮で斬新で。
とても刺激的な毎日だ。


「一体、何を考えているんですか!」



そのあとの絶句した顔は見物だった、真っ赤な顔をして口を金魚のようにパクパク
させて可愛かった。
そう、いつだって俺はお前のことを考えている。
異世界だか未来から来ようが、そんなこと関係ない。

この俺に意見する奴は小五郎ぐらいしかいなかった。
他の奴は大抵言えず、または俺が拒否して受け入れなかったとも言う。
それなのに・・・何故かアイツの意見は刺激的で
遠慮がないせいか非常に心地よい。

アイツはあの大久保にも意見したらしい。
まったく本当に怖いもの知らずな女だ。
行動だってそうだ。
とてもこの時代の女じゃ考えもつかない行動に出ては、
俺の少ない寿命を減らしやがる。

アイツの対処について坂本に聞かれた時も・・・。


「高杉さん。これからあの子を、どうするつもりじゃ?」
「まだあいつに、どうしたいのか聞いてないから、分からないな・・・」
「らしくないのう。帰ると言われるんが、怖いか?」



そう、俺は怖い。
アイツがいずれ自分の世界に帰るとわかっていても、それでも
手放す自信は皆無だ。
それほどまでに心を奪われた。
アイツは俺に振り回されっぱなしだと言うが、実際は逆だ。
俺がアイツに振りまわれっぱなしだ、それを悟られないように
虚勢を張っているだけのことで・・・。
ズカズカと俺の深部まで入りこんだアイツを今さら手放せるはずもない。

それでもアイツと約束した。
「俺が必ずお前を帰してやる」


<end>

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