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後ろに見える景色(紺野×主人公)



今日も紺野先輩の家に遊びに来た。
先輩に卒業式の日に告白されて半年・・・・。
同じ大学に通っているせいか、先輩の家に来ることが多い。

「 可愛い可愛い♪なんでこんなに可愛いんだろう♪」

私はその対象にメロメロだ。
それは紺野先輩の7つ年上のお姉さんの赤ちゃん♪
生まれて2週間の、本当に生まれたばかりの女の子の赤ちゃん。
ほっぺもプクプクで、手なんて私の小指よりも小さいwww!!
目がパッチリでおちょぼ口の美人さん♪
赤ちゃんって不思議だけど、見てるだけで、その存在だけで癒される。
究極のヒーリングアイテムかもしれない!!
 
「先輩のお姉さんに似てますね!」
「でも目は義兄さんに似てるかも」
お姉さんは普段はアメリカに住んでいる、
今回は出産のために一時帰国したらしい。
紺野先輩のお義兄さん、鈴鹿和馬さんはNBAで活躍する大スターだ!
しかも、はば学卒業生!!
将来は美人で運動神経バツグンな子になるだろう。

ひとしきり赤ちゃんを堪能した後、先輩の部屋に戻る。
「あ〜赤ちゃんって本当に可愛いですね!」
私はまだ別れたばかりの赤ちゃんに思いが残る。
「・・・赤ちゃん好き?」
コーヒーとお菓子を乗せたお盆を持って、紺野先輩が部屋に戻ってきた。
私はベッドに腰かけながら、少し興奮気味に答える。
「大好きです!可愛くて本当に大好きです!!」
「確かに可愛いね」
紺野先輩が納得するように、目を細めて笑う。
実は私、この目を細めた先輩の笑顔が大好きだったり・・・。
「そうだ、そんなに赤ちゃん好きならさ・・・・」
お盆をテーブルに置いて、私の隣に座る。
「本物の赤ちゃん、欲しい?」
ギシッと少しスプリングに加重の掛かる音とともに先輩が言う。
「そうですね、やっぱり自分の赤ちゃん欲しいですね」
「八重の赤ちゃんだったら、可愛いだろうな」
先輩との距離が気のせいか縮まりつつある。
「あ、えと、そうですね。いつかは赤ちゃんは欲しいですけど・・・」
私はたじろぎ気味に答える。
紺野先輩は少しずつ体重を私にかける。
「いつかじゃなくて、今でもいいけど?僕はね」
「え?!」
お互いの吐息がかかる距離まで近づいて、私の鼓動はいっきに跳ね上がる。
心臓が頭に移動したみたいに、激しく鼓動を感じる。
「こ、紺野先輩?!」
言葉がうまく出ない。
頭の中はパニックだ、間近に紺野先輩を感じるだけで心拍数は右肩上がり。
追いうちのようなセリフはトドメのようだ。
「八重」
紺野先輩が優しく名前を呼ぶ、もう心臓はこれ以上ないくらいに早打ちしてるに
違いない。
「・・・!」
そっと、大きな手で私の頬に触れ、反対の手で肩を優しく力強く抱く。
それが合図かのように私は自然と目をつぶる。
キスが落ちてくる。
紺野先輩のキスはいつでも包み込むように、優しいキス。
それなのに、今日は少し強引な今までにないような深い深いキス。
驚いて逃げることも許されない、がっちりと身体をキープされて
息苦しいくらいに求められるキス。
思わず酸欠になるんじゃないかと思ったときに、唇が離れた。
「今は・・・」
そっと唇を離すと紺野先輩が言う。 
「今はまだここまで」
どこか不敵な笑顔の紺野先輩。
「・・・え?」
少し乱れがちな呼吸を整えながら私は先輩を見る。
「あれ?今すぐ赤ちゃん欲しかった?」
「ま、まだいいです!!」
思わず力いっぱい首を横に振って否定する。
「そう?じゃ、この続きはまた・・・ね。」
先輩が優しく微笑む。
優しく・・・・でも、その向こうに黒い尻尾が見えたのは
私の幻覚なのかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言い訳・・・・・・・・・・・・・・・・
初、紺野先輩SSです。
私の中の紺野先輩は腹黒エロ先輩なので・・・。
でもまだまだ攻めが甘いかしら?



☆目次☆



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