「バレる嘘を吐くのがヒールで、最後までバレない嘘を吐くのがヒーローなんだぜ」
「どのような理屈だ」
「理屈も何もないぜ。世界はそういう風にできてんだ」
あんまり理屈張って考えてると馬鹿みたいだぜ
他意のない笑みを溢して英雄と称えられた少年は暗転する。
「でもさ、嘘がバレたらそれはもうヒーローではいられないんだ」
「ヒールに転落するのか?」
「ああ、アンタ中々わかってきたじゃないか」
そうだよヒーローじゃなくなったらそいつは次のヒーローに駆逐される運命なんだ。
「だって悪役だものな」
中々にハイリスクな役職だろ?
口腔から真っ赤な暗渠を滴らせながら、
悪魔が笑う。
何と答えれば正しいのか。