好きな時間

「よし、出来た!」

いそいそと出来上がったケーキを手に向かうのはいつもの部屋。



「マルコ〜、入るぞ〜」

「ああ、サッチ。そろそろ来る頃だと思ってたよい」

そう言って動かしていたペンを置き、俺のところに来てケーキを受け取る。


パクパクと俺の隣でひたすらケーキを頬張るマルコ。

・・・まるでリスだな。


「美味かったよい」

空になった皿の前で満足そうに微笑むマルコ。

「ココアもあるぞ」

「ん」

コクコクと飲み干していく。


この時間が俺は好きだ。
俺の作ったものを俺の隣で食べるマルコ。
ちょっとした優越感だ。

「ごちそうさま」

「どういたしまして・・・あっ」

「ん?」

「クリームついてるぞ」

頬についたそれを指でぬぐって舐める。

「なっ、なに舐めてんだい!」

「もったいないだろ」

笑いながらそういうと、マルコは怒ったようにそっぽを向いてしまった。



やっぱり俺はこの時間が好きだな。

そっぽを向いたマルコの、心なしか赤く染まった頬を見てそう思わずにはいられなかった。



さて、明日は何を作ろうか


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