夏の敵

「うわ!なんだこの煙!?火事か?」

エースは叫び声を上げた。
甲板で寝ていたら何か妙な気配を感じ、目を開けてみれば、あたり一体が真っ白になっていた。

「おい、エース!お前また・・・って燃えてないな?」

「俺じゃねぇよ!」

「じゃあ、なんだこの煙は!」

「知らねぇよ!」

エース同様、大量の煙に驚いたビスタが駆けつけるが、もちろんこれはエースの仕業ではない。


「しかしこの煙はどこから来ているんだ?」

「あっちじゃねぇか?」

「よし、行くぞ!」

煙の流れてくる方向をなんとか探り、二人して後を追う。

「ここだな」

「ここは・・・マルコの部屋?」

大量の煙に撒かれながらたどり着いた先にはマルコの部屋。
今もたくさんの煙がシューシューと漏れ出している。

「とにかく入るぞ」

「おう」


バンッ!!!


「くっ」

「うわ!」

ドアを開ければ、より大量の煙が外へとあふれ出す。

「ゲホゲホゲホッ」

むせるエースに、ハンカチで口を塞ぐビスタ。

二人の目の前には・・・


「サッチ!?」

「なんだお前、その格好は!」

防護マスクのようなものをつけたサッチと、

「原因はこれか!」

「こんなもん一気に大量に使うなあ!」

大量のバル○ン。

「もがっ、もががっ・・・」

二人の姿を確認して、サッチが口を開く。

「何言ってるのかわかんねぇよ!そのマスク外せ!」

「ふもっ、もがががっ!」

「だからわかんねぇって!っていうか、なんでこんなもん焚いてんだよ!」

エースがサッチに問うが、もがもが言っているだけで、埒が明かない。

「エース!ビスタ!」

「マルコ!・・・どうしたんだ?その顔」

部屋に入ってきたマルコの顔を見て、エースが尋ねる。
その顔は目の下が赤く腫れ上がっていた。

「あっ、ちょっと虫に刺されちまったんだよい」

恥ずかしそうに説明するマルコ。

「虫に・・・ということは原因はお前か!」

納得が入ったようにエースが叫ぶ。

「俺はちゃんと止めたんだよい!」

「アホか!もっとちゃんと止めろ!」

「もがもがっ、もが!」

マルコを責めるエースにサッチが割って入る。

「お前はもう黙れ」

なおもしゃべろうとするサッチにビスタの剣が振り下ろされる。
仲間のよしみで峰打ちではあったが、強い衝撃にサッチは気絶した。


結局、煙を噴き出すそれらは途中のまま海へと投げ捨てられ、騒ぎの原因となったサッチとマルコには一週間の甲板掃除が命じられた。



(ていうか、なんで俺もなんだよい!)
(マルコとお掃除〜、ふんふん〜)
(お前はもっとちゃんと反省しろい!)
(いってぇ!悪いのはお前に手を出した虫だろう!?)

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