夏の話

「サッチ、暑くねぇのか?」
「暑いぜ」
現在の気温は30℃超えの炎天下。
じりじりと太陽が肌を焼く。
今もまた首筋に汗が流れ落ちる。
「なら脱げばいいのに」
普段と変わらぬ、きっちりと閉じられた服を見て言う。
「だめなんだよ」
俺の言葉にサッチはため息を吐く。
「なんで」
「焼くから」
「はあ?焼くなら脱げばいいじゃん。焼けるの間違いだろ」
眉を寄せる俺に、サッチは苦笑いを返す。
「とにかくスカーフだけでもとれよ」
サッチのスカーフに手をかけて、それを解く。
「あっ、だめだって」
するりとスカーフが解けて、首もとの肌がはだける。
「ほら、この方がい「サッチ」」
突如、俺の言葉を遮る人物。
「あっ、マルコ」
「エース、悪いがこいつはもらってくよい」
「えっ?ああ……」
持っていたスカーフをサッと奪い取ると、マルコは問答無用でサッチを連れ去った。
騒ぐサッチとマルコの声がここにまで届く。
「……なるほどね、恋人が嫉妬深いと大変だな」


(マルコ、痛い、痛い!もっと優しく結べって!)
(勝手に外しやがって)
(それはエースが!)
(なんだって?)
(うっ……)
(他の野郎に肌見せてんじゃねぇよい)

焼けるのは肌じゃなくて心

(しかし凄い妬け具合だなbyエース)

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