その瞳に捕われる(2/2)

「…あんたと一緒なら、世界も明るく見えるのかね」
「え…?」
余りに穏やかに響く声に目を開けば、そこに移ったのは新緑を思わせる美しい碧眼。
「サッチ…その目」
「ん?ああ、能力引っ込めると元からの色に戻るんだ」
家族以外で見せたのは、あんたが初めてだ。そう屈託なく笑う姿は、まるで別人のよう。
「なあ、俺と一緒に来いよマルコ。曇りない目を持つあんたと一緒に入れたら、俺も曇りなく世界を見渡せるんだ。灰色じゃない、色付く世界を」
肩に置かれていた手が緩やかに動き、背中に回され抱き寄せられる。本来なら突き飛ばすべきなのだろうが、金縛りにあったように動かない。

「中将!マルコ中将!!」

遠くで聞こえる部下の声にはっとする。俺は一体何をしてるんだ。
「ちきしょう…邪魔しやがって」
力を込め痛いくらいに抱き締められる。
「ま、今日は機嫌がいいから見逃してやる。けどなマルコ、俺は海賊だ。欲しいものは何が何でも手に入れる。忘れんなよ」
静かにサッチの体が離され、一歩後ずさる。
「またな、マルコ」
にかりと笑い背を向け、悠々とサッチはこの場を後にした。


「なんなんだよい」
捕らえるべき男を前に、何もできなかった。
「くそっ」
初めて見たその瞳に、笑顔に。
「…反則だよい」
高鳴る鼓動も、上がり続ける体温も、ざわめく血潮も、治める術が思い付かない。


「…これじゃあ俺が捕まったみたいだ」






『青空ダイブ』の蒼山遼一様より相互記念でいただきました。
41大好きのお仲間でなので闇ッチで頼んだら海賊海軍パロで来た!
この設定好きだから嬉しかった(*^ω^*)
サッチもマルコもカッコいい♪
二人とも男前www
本当にありがとうございました!


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