夜食
「ねぇー亮ー」
「どうした?」
「お腹空いた」
深夜12時前。やはりこの時間帯まで起きているとお腹が空いてくる。太るのはわかっているけど、腹の虫はおさまってはくれないみたいだ。今日は亮の家に泊まっていたので、亮に何か食べるモノがあるか聞いて見たら、食べ慣れないものを勧められた。
「カップ焼きそばならあるけど?」
テーブルに置かれたカップ麺。友達が食べていたのは、見た事があるけど実際食べた事がない。
「作って!」
「自分で作れよ」
「……よし、作ってみよう」
「待て待て待て。わかった。食った事ねーんだな」
「うん。そうです」
ったくしょーがねーなと言いながらカップ麺のふたを開けて中の袋を取り出す。亮は料理が苦手だけど何やら手際がいい。まぁ、でもインスタントだから簡単に出来るモノなのだろう。
「かやくに粉ソース?」
「それを入れて、お湯を入れて3分な」
「ちょっと景吾に自慢してやろー。あの有名なカップ麺食べたって」
亮に呆れたと溜息をつかれてしまった。お湯が沸いたみたいで、カップに注いで3分が……経った。
「すごいいい匂いだね」
「ほら、食えよ」
「……ん。おいしいよ。コレ」
今まで食べなかったとか損だねコレは。
夜食
(育ってきた環境が違っても)
(楽しいものだ)
(ちなみにういの家だったら何が出てくるんだ?)
(簡単な菓子パンとか……?)
(それは、跡部クラスのパンなんだろうな)
(今度持ってきてあげよっか?)