息子の疑問に答えましょう

「父さんってさ。何で母さんと結婚したの?」

ういの帰りが遅くなるという事で2人で晩御飯を食べていた時だった。今息子は19歳。大学に通っている。俺とは違って部活よりもバイトや恋愛にと最近の若者だ。

「ずっと疑問だったんだよね。だって父さんと母さんって住む世界が違ったんだろ?」

そう言って止まっていたスプーンを口に運ぶ。そうかずっと気になっていたのか。

「なんで、結婚したか……か。好きだからだよ。確かに結婚する時は大変だったけどな」

結局ういが跡部の名の下で働くという事に落ち着いて、俺もその下請けと言ってもほぼ普通のサラリーマンで働いている。

「ふーん。じゃあさ母さんのどこに惚れたの?」
「それ母さんにも同じ事聞いたのか?」
「聞いてないけど」

でも、なんとなく予想はつくね。絶対可愛い年下だなとか思って結婚してそうだし。そう続けた直。なかなかに生意気だ。

「お前な……。……一目惚れだったからな。全部に惚れてるんだよ」
「そうなんだ。でも父さん部活小僧だったから、恋愛とか疎かったんじゃない?」
「……もうさっさと食え」

ほんと跡部のおかげだよな。この独り言はこの地獄耳な息子は聞き逃しはしなかった。おじさんすごいもんなと残りをかきこんだ。ごちそうさまと挨拶をしてシンクに洗い物を持っていく。

「父さんも早く食べてよ。一緒に洗っちゃうから」

それを聞いて俺も残っていたカレーを食べて、直に皿を渡す。TVを点けてチャンネルを回していたら、後ろから俺これからみたい番組あるから! と洗い物を片付けてる音と一緒に聞こえた。


昔の話が気になって
(なぁ、うい何で俺と結婚した?)
(? 好きだからだけど?)
(それ意外だったら?)
(可愛かったから……かな)
(……)





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