氷帝で連載の冒頭もどき

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「……。えっと、どちら様でしたっけ?」
「……お前本気で言ってるのか?」
「私は冗談は言いますけど、嘘だけは言いません。よってこの人は誰ですか?」

氷帝に通っていて跡部を知らないヤツっているもんなんだと思った。跡部の顔が引き攣ってるよ。

「跡部景吾。ここの生徒会長でテニス部部長」
「綺麗な人ですね」

偉いヤツだとわかったら急に態度変わりやがった。跡部も満更じゃねー顔してるし。

「ししどー。結局私はテニス部のマネージャーをやらなきゃいけないの?」
「そうなるな」

まぁ、俺がコイツを推薦したんだけどな。ミーハーじゃなくて仕事が真面目にできるやつ。性格には難有りだけど、テニス部があれだからなんとかなるだろ。

「うわ。キノコ」
「誰ですか。この失礼な人」
「テニス部の人?」
「あぁ、俺が言ってた。」
「こんな人がやるんですか?跡部さんは何て?」
「OKって言ってたぞ」

雨依に乗せられてな。

「宍戸さーん!練習……その人誰ですか?」
「……犬。犬!」
「へ?犬?」
「頭わしゃわしゃしたい!頭!」
「落ち着け雨依。今日からマネやってくれる。ほら、自己紹介しろ!」
「私、美怜雨依と申します。頭撫でていいですか!」
「だから落ち着けって。コイツは俺のダブルスのパートナーの鳳長太郎な。おら、若も自己紹介」
「……日吉若です。俺もう練習行きますね」
「じゃ、俺達も練習行くか。長太郎!」
「はい!宍戸さん!」
「ちょっと私も1人にしないで!……行ってしまった」

仕事とか何すればいいんだろうとボーッと突っ立ってた。

「お譲ちゃん。こんなとこで何してんねん」

そりゃ、見た事が無い人が急にコートになんていたらそう声をかけるだろうね。

「えーと、宍戸の紹介の者?です」

宍戸が推薦してみんなに話していたら多分通じるだろう。

「あー、マネの?」
「通じた。よかった。実は知り合った人たちがみんな練習に行ってしまったのでとりあえず何していいかわからなくて」
「跡部とかに何も言われてないん?」
「そうですね。何も指示はなかったです」

そういえばこの人関西弁だ。関西から引っ越してきた人なのかな?

「そうやな。とりあえずドリンク作ってもらおか。後、洗濯の場所と……。」

マネの仕事を聞いて見るとやはり沢山あるらしい。とりあえずドリンクを作る粉をおいてある所を教えてもらい作り方を教えてもらう事になった。

「えーと、」
「そういや自己紹介がまだやったな。忍足侑士や。」
「あっ美怜雨依です。忍足さん。」
「なんやそんな堅苦しく話すことないで。」
「あーその内タメになりますよ。」
「そうか。あっ粉はここな。」

部室に入って置いてある場所を教えてもらった。それにしても部室広いな。私ここで暮らせちゃうよ。ガチャと赤髪の人と金髪の人が入って来た。

「その子誰だC」
「おっ、もしかして宍戸の言ってた?」

この下り後何回繰り返すんだろうと思いながら自己紹介。何やら2人してすごい汗だ。

「なんや、ジローと岳人で試合したんか?」
「おう。侑士来るのが遅くてよ!あっ!俺向日岳人な!」
「芥川慈郎だC。よろしくね?」
「よろしくお願いします。」
「ほんなら俺もちょっと打ってこようかな。ドリンクの作り方は粉の袋に書いてあるからわかると思うで。レギュラー分だけでええからな」

そう言って出て行ってしまった。向日さんと芥川さんはタオルを取りに来ただけみたいだ。私はドリンク作りにかかった。そういえば、レギュラー分だけって言ってたな。レギュラーって何人だっけ?とりあえず10個くらいあれば足りるかな。作り終えて隣にあったカゴに入れた。ふと目に入ったのはタオル。必要かな?と思いそれも一緒に持って部室を出た。

しかし、レギュラーが練習しているコートってどこなんだろ。少し離れているところにいた背が高い人に聞いて見ることにした。

「すみません。新しくマネージャーになった者なんですが、レギュラーが練習しているコートに行きたいんですけど……。」
「こっち……です」

案内してくれている時に名前を聞いたら樺地崇弘君と言うらしい。樺地君か……。そしてレギュラーだという事を聞いた。コートに着いたらさっきまで笑っていた人たちが真剣にテニスをしていた。……すごい。その一言だ。休憩という声が聞こえてハッとした。ずいぶん魅入っていたようだ。跡部さんがこっちに気づいて近づいて来た。

「忍足に教えてもらったんだってな。」
「えっはい。一応味見したんですけど、お口に合うかどうか。」
「どれ?」

他のみんなにもタオルと一緒に配る。みんながドリンクを飲み始めた。どうだろう?

「なかなかいいじゃねーか。」

周りも丁度いいと言ってくれた。よかった。終わりがけにまた忍足さんが練習を抜けてくれて一緒に洗濯を手伝ってくれた。初日はなかなか出来た方だと思う。


帰りは宍戸と一緒に帰った。そういえば朝練は出なくてはいいのかという疑問が。朝は苦手なので、あったら困る。
「今は自主練したいヤツが来てるだけだから来なくていいぜ」
よかった。そういえば……!
「夕方のドラマ再放送!やっぱマネやめる!」
「遅せーよ。明日からよろしくな!」
「やっぱ断れば良かった。」
跡部さんがお金あるからいけないんだ。耳元で言われたあの言葉。何でも奢ってやるという言葉。ああ。釣られてしまった。

・性格が黒い事を隠しているヒロイン
・宍戸は隠してることを知っている

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