チョコレートケーキを召し上がれ

.

もうすっかり真夜中。さっき時計を見た時はもう1時を回っていた。今日……。いや、昨日は少し遠くの方まで仕事の話しがあった。帰りは遅くなるだろうとは思っていたがまさか日付まで超えるとは。

しかも、今日も朝は早い。ここ最近は遠いところで仕事ばっかだ。なかなかウイに構ってやれない。帰って来る頃にはもう寝てしまっている。寝室の扉を開けると案の定ぐっすりとベッドで寝ているウイ。聞こえるか聞こえない声でただいまと呟く。起さないように毛布を掛け直す。俺もそのまま一緒に寝てしまいたいが、今日の書類をまとめなければいけない。ベッドから少し離れたところにある机に座り手元用のランプをつけた。

書類の片付けも終わり時計を見ると1時半過ぎ。意外にも時間は過ぎていない。少しは眠れそうだ。ランプを消してベッドに横になる。その反動でベッドが沈む。その感覚にウイが寝返りをうって俺と向き合う体制になった。気持ち良さそう眠っているウイ。そっと頭を撫でる。

「……サー?」
「あぁ」

起こさないように気をつけていたのに、結果的に起こしてしまった。起してしまってすまないなと謝るとどうやら寝ぼけているようで。ウイはトリックオアトリートと呟いた。……今日はハロウィンか。だいぶ頭が起きて来たようで、おかえりーと抱きついてきた。

「サーとハロウィンやりたかったけど、また仕事だもんね」

“すまねぇ”という思いも込めて頭を撫でる。そうするとあっという間にウイは夢の世界へと落ちて行った。


チョコレートのケーキを召し上がれ
(隣にいないかわりに、机の上に)
(書き置きにはいたずらされたら敵わないからなと)

隠しておいた水鉄砲が隣に
(あー残念!)


+++
私が書くサーはなんか温厚だな。

.




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -