一方通行な関係で
私は貴方を救うことはできない。けど、最後まで一緒にいることはできるから。それまでは一緒にいたい。目の前をバナナワニが行ったり来たり。貴方達はあの人がいなくなったらどうなるのかしら。
何が起こるのか。何をするのかなんて教えてくれない。恋人同士のはずなのにおかしいな。私と仕事どっちが大切なの? なんて聞いても大人で紳士な貴方に私は上手く言いくるめられるのだろう。そんなどうしようもないことを考えていると扉が開く音が聞こえた。報告を聞きに来たのかな。どれくらいここにいたんだろう。
「おい。今日の売り上げ報告は?」
「ごめんなさい。これです」
手元にまとめてある書類をクロコダイルさんに手渡す。まあまあだなと書類から顔を上げ他に変わったことはないかと聞いてくる。特にと答えるとそうかと部屋を出ていことする。追いかけて捕まえても砂になって逃げられてしまうかしら。期待せず腕を掴む。そこにクロコダイルさんが居てくれるだけで幸せな気持ちになる私は単純だ。どうしたとこちらに顔を向ける。
「もう少し話していたい……です」
「悪いな。別の仕事が残っている。また時間ができたらな」
素直にはいと離してしまう自分がたまらなくいやだ。でも。しつこくしてもクロコダイルさんは離れていくだけだ。わかってる。今日もロビンさんっていう人と仕事なのかな。
一方通行な関係で