忍足さんが勧誘をしてきた!
. 「自分やな。直って」
教室に入って来た先輩。周りはうるさい。そして、俺は……学習したんだ!
「人違いですよ。直ってあの人ですよ」
「そうなん? すまんなぁ。君が直? えっ、アイツ? 間違っとらんかったやん」
あっさり戻ってきた。青髪でもさもさしてて丸眼鏡。なんか胡散臭い関西弁だし。絶対テニス部のヤツだ。
「ていうか自分青学ルーキーの一件で面割れとるやん」
こうなったらシカトだ。シカト。
「なんやシカトか。まぁええわ。テニス部入ってくれへん?」
何でまぁええわでその話題に入るんだよ。
「自分口に出てるで? お願いや。テニス部入ってくれ!」
先輩に手合わされて頭を下げられると気が引ける。なんか滝さんっていう人の次に必死だな。なんかあの跡部って人に買収でもされてんのか?
「やから口に出てるで。直が入ってくれたら足綺麗な子紹介してくれんねん」
気持ち悪っ。この人気持ち悪っ。俺は最低限先輩には敬意をはらってるつもりだけどこの人気持ち悪っ!
「俺にメリット無いじゃないですか! なんでその為に俺が入らなくてはあかんのですか」
あっ、地味に関西弁うつった。
「やっぱアカンか。なら試合しようや」
「ならってなんですか? ならって」
「もう嫌だよ。青木先輩」
「よしよし。シューズ貸してやるから」
「青木先輩までヒドイです。シューズ借ります」
結局最近見慣れてしまったコートへ。ていうかあの関西弁先輩も跡部っていう人のさしがねか。
「おう! 直! また来たのか?」
「宍戸先輩。どうもです。あの関西弁先輩の相手に。ていうかあの人気持ち悪くてしょうがないんですけど」
「あーそれはもうシカトしろ」
「わかりました」
いつもと一緒でサーブ権と一球だけ。なかなか時間が掛かった。4分くらい。心を閉ざすってなんだアレ。試合が終わって握手を求められてなんかムカついたので、眼鏡を割っておいた。
(つーかあの眼鏡伊達かよ)
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