向日さんが試合をしかけてきた!

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「これは俺の焼きそばパンです!」
「ちげーよ! 俺に譲れ! お前後輩だろ!」

今日は母さんと久々にケンカをして、お弁当を作ってもらえなかったので、購買に来ていた。氷帝はお坊ちゃまやお嬢ちゃまが多いけど購買はそれを感じさせぬほどの戦場だ。

さっきから俺も焼きそばパンを赤い髪の先輩と取り合いをしている。でも、先輩に目をつけられると後々面倒なのでそろそろ譲った。

「先輩俺やっぱいいです」
「お前いいヤツだな!」

そう言って赤髪の先輩はレジに向かって行った。ほぼ人が引いた購買。俺は売れ残って半分潰れているチーズ蒸しパンを見つめる。

「チーズ蒸しパン……。お前の気持ちはよくわかるよ。だから俺が買ってやるよ!」
「ん? お前って」

こんな変な寸劇を見られていたのは恥ずかしい。しかもさっき焼きそばパンの死闘を繰り広げた赤髪の先輩だ。

「青学の「人違いです」
「やっぱそうなのか。お前バカだな」

人の事笑いやがって。ってか違う意味で目つけられた! 何だ。また試合しろと! 勘弁してほしいんですけど!

「勝負しろ!」

当たっちゃったよ……。何でこんなにみんな勝負したがるんだ。氷帝テニス部ってめっちゃ人いるんじゃないのか? その人達に頼めばいいのに。ていうか何でやたらとさっきからピョンピョン跳ねてんの。

「……お断りして「放課後待ってるからな!」

(出た! テニス部直伝(?)秘技・人の話を聞かない)

「お前逃げんじゃねーのと思って迎えに来た」

うわー。クラスまでに来やがった。てか何でクラス知ってんだよ! それになんか周りがうるさいし。

「1球だけですよ。先輩」
「何でちょっと偉そうなんだよ!」

「青木せんぱーい!」
「何だ、またかよ」
「お久しぶりです。シューズを貸していだけますか」
「聞いたとこじゃ、お前革靴でも出来るって聞いたんだけど」
「いや、変に足首捻ったりしたくないんで」
「なるほどな」
「俺このテニス部から逃げたいです」
「俺じゃ、何も出来なくて……ごめんな」
「そんな!先輩が謝らないでください!」

青木先輩が泣きまねを始めたのでそれにノっていたら、赤髪の人に止められた。しかし青木先輩ノリいいな。

「ほら、やるぞ!」
「いってきます! 先輩!」
「頑張れ!」

青木先輩本当にいい人。部長、青木先輩でいいじゃん。それにしても、今ん所レギュラー陣まともな人いねーよな。

「サーブ権俺からでいいですか? あっ1球だけですからね」
「おう! 来い!」


(もちろん。勝てました。アクロバットすごかったなー)


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ある意味青木先輩は部長です。わかる人は是非、友達になってください

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