守りたいもの

「それでさ、あのゼミの」

駅前のファミレスで友達としゃべること2時間経過。携帯の時計を確認すると9時になっていた。すると携帯画面が着信画面に変わった。

「誰から?」
「若さん」
「ああ、彼氏さんかー。ゆっくりお話してくださいな」

友達の冷やかしを笑って返し、電話に出た。今日はずっと学校に残ってるって言ってたっけ。電話に出ると少し疲れ気味な声で今どこにいる? と聞かれた。家に寄ったらいないようなので電話してきたようだ。

「今は駅前のファミレスでご飯食べてます」
《そうか。そろそろ帰るなら迎えに行こうか?》

ちょっと待ってくださいねと電話口を押さえて友達に彼氏が迎えに来てくれるみたいなんだけどと言うとそうだね、そろそろ帰えろうかと帰る準備をし始める。ありがとうとお礼を言って今からお店出ますと若さんに伝えて電話を切った。お会計を済ませ外に出ると風がすごく冷たい。

「彼氏が迎えに来るなんて羨ましいなー。じゃあ、私先に帰るね!」
「うん。ばいばい!」

車通りの多い所へ移動して、若さんの車を待っていると、青髪の背の高い人が近づいて来た。

「お嬢ちゃん、1人かいな」

関西人なのかな? それにしてもナンパだよね、これ。断らないと。

「人を待ってるので」
「寒そうやないか。迎えの人来るまで俺とお茶せえへん?」
「いや、でももう来ると思うので」

それでも引き下がろうとしてくれなく困っていたら関西人の人の後ろから聞きなれた声が聞こえた。

「人の彼女に何の用ですか? 忍足さん」

初めて聞いたかもしれない若さんの敬語。ちょっぴり違和感。名前を知ってるって事は知り合いなんだよね?

「なんや。日吉やないかい」
「若さんの知り合いなんですか?」
「学生時代の先輩だ」
「初めまして。忍足侑士や。しかし、ほんまに可愛い彼女やな」
「……帰るぞ」

はいと答えると同時に腕を引っ張られ車が停めてあるところまで来ると助手席のドアを開けてくれる若さん。流れるままに助手席に座り若さんはドアを閉めて運転席にまわって車に乗った。さっきの場所を見てみると忍足さんはもうそこにはいなかった。少しイライラしている様子の若さんは全くあの人は仮にも学校関係者だろと悪態をついている。学校関係者なんだと思っているとういも気をつけろよと注意をされてしまった。

「それにしても若さんの知り合いにナンパされるなんてことあるんですね」
「そんな呑気だとまたナンパされるぞ」

そう言ってエンジンをかけ車は発進した。今回ナンパされたのはたまたまですって。初めてでしたしと返すととにかく油断はするなと念をおされた。明日は日曜か。私も明日は何も予定はない。

「今日若さんの家泊まりたいです」
「急にどうした」
「若さん明日予定ありますか?」
「いや、特にないが」

じーっと目線で訴えているとわかったとウィンカーを出し車は反対方向に走り出した。


守りたいもの


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日吉の彼女さんに会えた忍足
彼女さんは現在大学進学と同時に1人暮らしを始め若さんの心配積もるばかりです




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