出来事は運命を変えていく

腕に違和感。急にこんな街中で。人にいきなり腕を掴まれると声なんて出ないはずで。顔を見ても全く知らない人だし。怖いよ! 何!? 誘拐!? でもそうだとしたらこの人はかなりヤバイ人間なわけなんだけど。誰か勝手にナンパか何かと勘違いして助けてくれないかな?

「美鈴ういですよね?」

私の名前を知っている時点でかなり危険人物ではないか。どうしよう。人違いなんて絶対にあり得ないし。

「……そうですけど。えっと、逃げんないんで腕離してもらってもいいですか?」

そう言うと腕を掴んできた不審人物は素直に腕を離してくれた。よかった話しを聞いてくれる人で。しかし私のこと知っていて用とは。どういうことだ。えふびーあいの人ならこんな街中でこんな事しないし。……組織の人間……だよね?

「君の家に案内してもらえないかな?」

これジンに連絡取った方がいいのかな。いや、赤井さんに連絡?

「あのあなた誰ですか?」
「僕は安室透。あまり警戒しないでほしいな」

コードネームじゃない。ということは益々誰なのか。組織の人間でも無ければエフビーアイでもない。でも私のことを知っている。気味が悪い人だ。

「あの見知らぬ人を家に案内なんて出来ません」
「……ジン。君の保護者代わりですよね?」

この人が誰であれ私は組織に関係がない人間なのだ。けど私を辿ればジンに会えると踏んでいるのだろうか。

「その通りですけど」

これは赤井さんに連絡した方が賢い選択なのかもしれない。確か赤井さんとは最後に電話をしたから履歴の1番上なはず。携帯を取り出し即座に操作をする。

「赤井秀一に連絡ですか?面白いことしますね」
「赤井さんのこと知ってるんですか?」

私がそう言うが早いかあっという間に腕を引かれて近くに駐めてあった車の助手席に乗せられる。軽く誘拐だよ。これ。

「あのあなた本当に何者なんですか? 普通に警察に連絡しますよ?」
「僕は公安の人間で本名は降谷零。コードネームはバーボンです。ここまで教えれば僕も君に近づいていいのかな?」

公安って公安警察のことだよね? 私とジンと赤井さんの関係を知っていて近づいてきたということはこの2人が目的ということか。

「あの私、誰の味方にもなるつもりはないのでそこだけわかってもらえるなら構いませんよ?」

面白い人だと笑った降谷さんは、私に連絡先を私自動でドアを開けてくれた。気が向いたら連絡しますと言い残し私は車を降りた。


出来事は運命を変えていく









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