真夜中の愛しさ
ふと夜中に目が覚めた。あたりは暗いから時間がわからない。隣にはグッスリと私に背を向けて眠っている四木さんがいる。
黒のラフなTシャツにグレーのスウェットパンツ。こんな姿普段の四木さんからは想像つかないな。なんて何度でも思う。
もう一度眠りにつこうと目を閉じるけれど眠れなくて何度も寝返りをうってしまう。それに対してかますます目は覚めるばかりで。目を開けた。
四木さんは明日というかもう日付は変わっている筈なので今日は休みだと言っていた。起こしてしまうのは悪いと思うけど起きてしまった時は起きてしまった時だとなんとなくこちらに向いている背中を人差し指でツンツンと突いてみた。
すると起こしてしまったのかゆっくりこちらに顔が向けられた。
「ごめんさない。起こしてしまって」
「いや、さっきから動いてはいるなと思ってはいたんだ。どうした? 眠れないのか?」
私が頷くと背中に腕が回ってきてすっぽり四木さんの腕の中に収まってしまう。この中はとても落ち着く。ゆっくりと頭を撫でられると何だが眠くなってきて、自然と瞼が閉じていく。
「四木さんおやすみ」
「おやすみ」
優しい四木さんの声と共に私はまた夢の中に落ちていく。