朽ちた夜は修羅の如く

「ういは俺の事好きだよな?」
「好き……だよ」

暗い部屋。明かりは窓から差し込む月明かりのみ。目の前の坂田さんはどこか虚ろな目をしながらいつも私にこうして確認をしてくる。好きと言わなければどうなるかなんて言われた事は無いけど雰囲気が坂田さんの全てがそう言っている気がした。

顎を思いっきり掴まれると乱暴に始まるキスの嵐。苦しくて苦しくて。酸素を求めようと口を開く度にキスが深くなって。酸素が足り無いのか頭がクラクラしてくる。それでもキスは止まなくて無意識にトシと名前を呼んでしまったみたいで。

私の体に強い痛みが走って横に転がった。あっ、蹴られたんだと意識が薄れる中冷静にそんな風に考える。

目の前の坂田さんは泣きながら私を殴りつけ、また抱きしめ俺の事好きだよな? と確認をしてくる。痛みを我慢しながら好きだよと返すとアイツの事は忘れろと次は優しいキスを落とすのだ。


朽ちた夜は修羅の如く









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