お気に召しませんか?
「土方さんって肩書きで呼ばれるのが好きなんですか?」
1番隊の女隊士上杉うい。あの沖田の下にいるだけあってどこかぶっ飛んでておかしなことばかり俺に聞いては楽しんでるそんな女。
「いきなり何だ仕事しろ」
「隊長が仕事してないんで別にいいんじゃないんですかね?」
普通上司が仕事しないと部下がしっかりすると言うがそんなのにういは当てはまりはしなかった。平隊員だが流石この男所帯のところで負けずに暮らしてるわけだからどこかおかしくても不思議ではないが。
「で、肩書きで呼ばれるの好きなんですか? しゃ・ちょ・う」
この間あの万屋と入れ替わった時のことを言っているらしい。別に肩書きで呼ばれたい訳でもないがあの場合は社長……だよな。
「別に名前でも肩書きでも何でもいい」
「一応私沖田さんの下の人間なんで副長って呼ぶの嫌なんですよねー。狙うは土方さんの首ですよ」
「上等だ。剣を抜け」
「まぁまぁそう怒んないでくださいよ。社長」
俺が剣を抜く構えを見せると仕事あるんで行きますと涼しい顔をして俺の横を通り去って行った。一旦なんだったんだ。