7.詮索する人も嫌いよ
黒髪の長い髪の女性。臨也さんが持っているデュラハンの首目的と身を隠すために臨也さんの元にいるらしい。
矢霧波江さん。会うのは初めてだ。矢霧さんも私のことは聞いていたのか臨也さんの部屋に行った時に大して驚きはしなかった。
「初めまして。矢霧波江です。あなたね。助手っていうのは」
「はい。美鈴ういです。今粟楠会にいるのでなかなかこちらに顔を見せないんですけど。今、臨也さんはいないんですか?」
「出かけたわよ」
渡さなければいけないものがあるから待ってなくてはいけない。ソファーに座ると矢霧さんは上に行き、資料の整理を始めた。
「あなた折原臨也と付き合ってるの?」
そこ気になる人少なからずはいるなぁ。臨也さんは何て答えているんだろう。とりあえず恋人紛いなモノだと答えようとしたら、扉が開く音が聞こえた。
「浪江さん、俺とういは付き合ってるよ」
「……らしいです」
「らしいって。相手にされてないみたいね」
「付き合ってるよ。ねぇ、うい」
「えっ、はい」
本当になんでこんな曖昧な関係なんだろう。私は臨也さんのことは好きなのか。でも同じくらい四木さんや赤林さんも好きだしなぁ。……わからない。
「まぁ、どっちでもいいわ」
「浪江さんは弟しか興味がないからね」
「弟……」
1年の矢霧誠二のことだろうか。今年の1年には確か面白いのがいたっけ。そういえば渡すもの渡さないと。忘れるところだった。
「臨也さんこれ粟楠の報告書」
「どうも。何か収穫あった?」
「これと言って臨也さんが気になるのはないと思いますよ」
「ふーん。まぁ、引き続きよろしく」
「はーい」
詮索する人も嫌いよ
テヌート
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