6.君の言葉を打ち消して奪ってみせよう
夜、家に鳴り響くインターホン。俺の家に来る人なんて今は1人くらいだ。仕方なしに扉を開けると泊まりに来ましたーと慣れたようにズカズカと家に上がり込んでくるうい。
高3の女子高生とはいえもう立派な女性でもあるから簡単に男の家になんて来ては欲しくないけど、若い子が家にいるなんてそれだけで華があるというかなんというか。俺も四木の旦那とそう大差ない邪な気持ちだ。
「ういちゃん、あんまり簡単に男の家に行かない方がいいって教えただろう?」
「そうですね。赤林さんの言う通りですよね」
その口ぶりからして四木さんと関係を持ってしまったのでは無いかと不安になる。あの情報屋とはほぼ同棲状態にあるみたいだし、そういう関係でも疑いはしない。若いのに危なっかしくてしょうがない。俺もその内の1人ではあるのだが……。
「赤林さんくらいですよ? そういう心配してくれるの。あの人たちからそういうのかわすなんて到底無理な話しですよ」
ああ、もうこの子は。簡単に俺の不安を砕いて。しょうがない子だ。ソファーに座るういの隣に腰をかけると服の裾を握られる。それを見ないように視線を外す。
「そういう事するから。襲われるのわかっててしてるでしょう?」
「別にお金は発生しないから問題はないかと」
「じゃなくても複数の人とするなんてそれはもう不純異性行為だよ」
「じゃあ、赤林さんは我慢できるんだ」
そう無邪気に笑ううい。大人を困らせちゃいけないと説教するか。このまま流されてしまうか。
「我慢できるかできないかって言ったら結構我慢してる方だよ」
「赤林さん見た目1番悪そうなのに1番優しいよね。私に仕事頼まないのも赤林さんくらいだし」
「そういうやつが1番危ないことも知ってるくせに」
へーそうなんだーと掴んだ裾をユラユラと揺らされる。その手に手を重ねると少し不安に揺らぐ瞳。どこまで計算してるのかなんて思うけどこれは素直な反応だと受け取っていいだろう。
少し力強く引き寄せて抱きしめるとスッポリと俺の腕の中に収まるういちゃん。ちょっと腰が引けてる辺り俺がこんな事するなんてと思ってる証拠だろう。
「赤林さん……? ごめんなさい。そんなつもりなくて」
「おいちゃんにここまでさせといて今更それはないよね」
腰に手を回すとビクリと体を震わせたういちゃんにキスをするとまたあの不安そうな瞳。なに、手加減はしてやるさねと耳元で低く囁いたその声は自分への抑制にも感じた。
テヌート
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