4.つまり、これは悪魔との契約による代償ということ

車の中。運転手と後部座席に私と四木さん。私に用があるらしい四木さんは学校が終わった私を拾って事務所に帰ろうとしていた。

隣を何気なく見るとタバコを咥えてそのままの四木さん。何となしにこの人は抜けてるところがある様な気がしてならない。

「そうやって待ってても私はライター持ってないですからね」
「教えただろう? こういう時は私のポケットに入ってるライターで点ければいいと」
「そこまでは仕事の範囲ではないんで」

視線を前に向けたままそう答えると横からこの娘はと言った視線が感じられるがシカトだ。

「それで今回の仕事はなんですか?」
「あるクラブで新しい薬が売られているらしい。それを入手するだけでいい」
「了解しました」

私の主な仕事は若者が集まる場所への潜入捜査だ。また潜入したとこなどは全て臨也さんに報告。本当上手な仕事をする人だ。

「四木さん?」
「何だ?」
「私、ホステスでもあるまいし四木さんの部下ではなく臨也さんの派遣の者なんですけど」
「悪い大人の言うことは聞いておくものですよ。ういさん」

いきなり敬語なんて。そして、私は四木さんの内ポケットを探ろうとしただけなのに。ジャケットを掴もうとしたら思いっきり腕を引かれ唇の横にキスをされてしまった。離されて近くにある顔を睨むと楽しそうに笑う四木さん。

「すぐに言う通りにしなかったお仕置きですよ」

すると自分でタバコの火を点けた四木さんに私は適わないと顔の熱を無視できなかった。


つまり、これは悪魔との契約による代償ということ
テヌート








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