10.僕は君の飼い犬
学校からもらった進路希望調査。何となく高校を卒業したらこのまま働くんだろうなと思っていた。臨也さんがそうだし。けど、四木さんと赤林さんに進路の話をしたら口を揃えて行けるなら大学に進めと言われた。
「そんなに頭も悪くないし今は奨学金制度もあるし行けるなら行っておいて損はないよ」
「そうさね。ういちゃん。この仕事は続ける気満々だろうけど勉強は別の話だよ」
何だか父親が2人いる気分だ。臨也さんには特にアドバイスなんてもらえなかったし、赤林さんには大学行けと言われる気がしてたけど四木さんはそのまま仕事しろと言われる様な気がしたから驚いた。
「大学って言っても特に勉強したい事もないですし、どっちかっていうと私としてはこの仕事に早く専念したいんですけど」
「ういがそう言うなら止めはしないけどね」
「それよりういちゃん派遣みたいな形でウチにいるけどこれっていつまでなの?」
「無期限……じゃないですか? 会長も今更私を手放して得することもないでしょうし」
粟楠会の専属なんて粟楠の為の情報しか取り扱わないからなぁ。もちろん、漏れたらかなり大事の情報もある訳だし。
私は学校からもらった進路希望調査にフリーターと記入した。
僕は君の飼い犬
テヌート
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