0cmの距離

.

「れーんーくーーん!!!」

そんな声がした後、後ろからボフッという効果音が聞こえそうなくらい思い切り抱きつかれた。

「おい。美鈴! 破廉恥だぞ!」
「うるさいよ。真田。今日も柳のとこに来たの? 好きだね」
「うん。好きだよ!」
「そろそろ、柳も返事を返してあげたら?」

俺はこれはこれでおもしろいと思っているからこれでいいと思っている。抱きついて来たのは美鈴うい。俺の幼馴染だ。同じ年だが俺に言わせたら妹の様な存在だ。別に恋愛感情を持っていないわけでは無いが……。

「もう何回言えばOKもらえるの?俺が返事を返さない確率100%っていう事!?」
「やはりおもしろいなういは。赤也練習始めるぞ」

はーいとこっちに来た赤也を連れてコートに入った。後ろを見ると少しふてくされてるういが幸村と真田と話していた。

「柳先輩って美鈴先輩の事好きなんスよね」
「ああ。そうだが」
「否定しないんスね。ああやって他の人と話してるの見てイライラしたりしないんスか」
「俺は赤也とは違うからな」

そう言ってサーブを空ぶった。赤也には帰りに何か奢って口封じをしておこう。


0cmの距離
(奢ってくれるなんて、あの時図星っスね)
(ああ。黙っていてくれるとありがたい)


+++
柳可愛い。赤也に弱みを握られればいいんだ。

.




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -