手招いて後悔

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「……」
「何でそんなに不機嫌なのよ」
「……朝帰り」
「いつもの事じゃない。でも、聞けたよ」

裏社会で働く人間。私と雅治は手を組んでの情報屋だ。今日はとある大きい企業様のお相手をして帰って来た所だ。でも必要な事は聞き出せたからよしとしよう。

「お風呂入って来る……」

どうにも不機嫌な雅治を横目に私はお風呂場に向かった。3年前だろうか。あの有名だと言われていた仁王雅治に着いてきてほしいと頼まれた。別に断る理由なんか無かった。むしろ着いて行った方が、割に合う仕事が舞い込んでくる事は確かだ。軽く体を洗って、ゆっくり湯船につかる。カチャカチャと皿が擦れる音が耳を澄ますと聞こえる。朝食準備してくれているのかな。

仁王雅治の自宅であり、事務所関係にもなっているマンションの一室。でもマンションの10階はまるごと雅治の物だ。私もその一室を借りている。ほぼ雅治の部屋にいるんだけども。リビングに行くとやはり朝食の用意がされていた。いただきますと椅子に座る。トーストにハムエッグ。ありきたりな朝食。

食べ終わり、ソファでゴロゴロしている雅治に近づく。それにしても夜はあまり眠れなかったからお腹が満たされたのとお風呂で体が温まったせいで眠気が襲う。

「ちょっと寝ていい?」

声をかけるとキョトンとした顔で下から見上げられる。少し間があった後、雅治は退くでもなく腕を広げた。いくらソファが広くても2人はきついよ。そう笑えば腕を引っ張られバランスを崩してしまい、雅治の上に倒れ込む。

「こう抱きしめてれば大丈夫ナリ」


手招いて後悔
(こんな事辞めて俺の奥さんになりんしゃい)
(何か言った?)



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非日常過ぎるw情報屋とかw

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