お返しは

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・HAPPY VALENTINEの続き


今日はホワイトデー。俺は一ヶ月前の事を思い出す。なかなか彼女に会えずやっと会えたのは周りをまけた午後6時くらいだったろうか。2人で急いで車に乗り込んで俺の家に帰った。俺がもらったモノをじっと見ていたうい。

「あのね景吾には似合わないチョコかもしれないけど、頑張って作ったんだ。良かったら食べて」

俺はこのもらったモノは一切手をつける事は無いと言い、ういの手作りチョコを食べた。他のモノとは比べものにならないほど美味かった。

目の前の仕事が片付かず、いらついて思い出に浸るもなかなか連絡が返ってこない携帯を見つめる。それにしても何で俺はこう大事な日に限ってこんな急な仕事が来るのだろう。部活が学校の諸事情で休みだと言うのに。だから今日は早く帰ってういが好きなケーキバイキングに連れていってやるつもりだったのに行けなくなってしまった。

帰りに行けないとわかったのは昼休みだったので、急いでケーキを準備してもらい学校に届けてもらった。その時にメールもしたのに。でも元々今日は帰りは2人でと用事があったから予定は空いているはずだ。今は4時半。授業が終わってからかれこれ50分くらい経っている。

「ごめん! 景吾!」

そう言って生徒会室に入ってきたうい。お前連絡もよこさずに、何してたんだ? ごめん! メール今気づいて。

「さっきまで鳳の告白現場を覗いてたの」
「は?」

俺よりそんな事を優先かよと言いたかけて止めた。そう言われると少しだけ気になるもの。俺だってそういう事に興味がある普通の中学生だ。

「3年組で覗いてたの。多分1年の子かな? 鳳にチョコあげてたみたいで。両想いだったんだって」
「良かったじゃねーか」
「これから冷やかしにかからないと」

それでさ今日行けないんだっけと聞いてきたうい。悪いと返すとしょうがないよと言ってくれた。俺は保冷剤で冷やしておいたクーラーボックスからケーキの箱を取り出す。

「行けないかわりにコレ」

目を輝かせて箱を受け取るうい。箱を開けてるういを横目に手を動かす。中を見て好きなケーキばかりだ! ありがとう! 景吾!と興奮気味だ。さっそくモンブランから食べはじめた。

「ほんとにメール気づかなくてごめんね。5・6時間目が異動教室で」
「別に。気にしてない」


お返しは
(今度ケーキバイキング連れてってやるよ)
(楽しみにしてるね!)



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ホワイトデーの話

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