隣の君

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隣で大欠伸をしている美鈴うい。

「寝不足みたいじゃな」
「うん。深夜おもしろいテレビ番組見ちゃって」
「あの9チャンのか?」
「それそれ。仁王君も見てたの?」
「……プリッ」

毎週見ているが、昨日は部活の練習が遅くまでかかってしまいそのまま寝てしまった。しかし、タイミングが悪い。話が出来たのに。

「なんじゃったら、一緒にサボらんか」
「えーいいよー。授業はちゃんと出ないとまずいしさ」
「ええから。ええから」

ほぼ強引に立たせて屋上へと向かった。ガチャと屋上の扉開ける。

「強引だなー。まぁ、いっか」

そう言った美鈴は、ベンチに寝っ転がった。

「授業ちゃんと受けるって言った割にはあっさりじゃのう」
「うーん。今さら戻ってもね」

それもそうじゃな。そうでしょ? 俺は隣のベンチに座った。隣を見るとすでにウトウトしている。

「昨日はね。イケてない芸人の話だったんだよ」
「……?」

急に話し始めた美鈴。あぁ、昨日の深夜番組の話しかのう?

「仁王君昨日見れなかったんでしょ?」

俺は誤魔化したはずだったんじゃが。見抜かれてしまったみたいだ。

「仁王君は確実にイケてるよねー。女の子にモテるしー、テニス出来るしー」
「そうじゃな」

そう言うと嫌な男ー。と声が返ってきた。


隣の君
(そういう男で悪かったのう)
(別にそんなに深く仁王君の事知らないけどね)

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