隣に

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「好き……です」
「悪い」

そう断られたのは、1週間前だっけ……。あれからボーッとしていたからどれだけ時が過ぎたのかわからない。

ずっと憧れていた跡部先輩。決してミーハーな気持ちではない。テニスに本気で打ち込む跡部先輩を好きになって、テニス部のマネージャーになった。運動が苦手な私が本気を出してマネ業を覚えて、頑張った。1週間前のバレンタインデー。部活終わりに渡してみたけど、ダメだった。ダメで元々なのはよくわかっていたけど。

「そうだよね。私なんかが跡部先輩と釣り合う訳ないよね」
「そうだな」

独り言に返答が返ってきた。不思議に思って隣を見てみると幼馴染の日吉だった。

「なんか人から言われると更に傷つく」
「おかしいと思ったんだよな。運動なんかとほど遠いお前がマネージャーやるなんて。そういう事だったんだな」
「うん。でも、もうテニス部に居ずらいや。頑張って何も無いような振りしてるのもキツイ」

まだ、跡部先輩の事好きなんだよね。何で諦めきれないのかな。そして、なぜ私はこんな事に一切興味がないような日吉に話しているのだろう。別にいいけど。それにどんな反応をされても構わない。笑ってくれてもいいし、無視されてもいい。

「跡部先輩に振られたのが一番痛いし」
「?」


隣に、
(俺はどうでもいいけど、お前がずっとそんな顔してるのも、
いい迷惑だ)
(よくわからないが、一緒にいてやるよ)



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日吉さんイケメンだよ!何かこんな日吉珍しいw

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