不得意なもの
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今日は早く帰るからとメールをした。自然と顔がニヤける。隣の席の同僚から新婚はいいよなぁーと声が聞こえた。今日は残業も無く定時にあがれた。
「ただいま」
いつものおかえりと飛びついてくるういの姿が無い。何かあったか? と半分焦りながらリビングに行く。
「うい?」
ダイニングの椅子に座って泣いているうい。なぜだ? 俺が何かしてしまったか。声をかけてみても無反応で泣き続ける。どうしよう。ふとういから目線を上げるといつも綺麗なキッチンが少し荒れている。……何となく理由がわかった気がした。鍋の中を覗くとスープだろうか。一口飲んでみるとお世辞にもあまり美味しいとは言えない。でも、炊飯器を開けてみるとしっかりご飯は炊けていた。
「ありがとな」
頭を撫でてやると小さくごめんねと声が返って来た。ごめんね。今日は早く帰って来るってメールが来たから、料理してみようと思ったんだけど、結局失敗しちゃった。そうまた泣きだしてしまった。
「その気持ちだけで充分だ。嬉しい」
あのスープ味付け変えれば飲めるからあとは俺がやるから休んでろ。そう言い、キッチンに立って料理をし始める。冷蔵庫の中には、作って置いてあるハンバーグ。後はこれを焼いて、スープに味付けして出来あがり。盛りつけてういの前に持っていく。
「料理出来ない奥さんでごめんね」
「謝らなくていい。でもここまで作れるようになったろ?」
そうだね。私もっと練習するね。いただきますと食べ始めたういに続いて俺も食事を始める。味どうだ? うん。美味しい!
不得意なもの
(仕事で疲れてるのにごめんね)
(あとでゆっくり癒してもらうからな)
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日吉が結婚後こんな感じだといい。料理が出来る日吉いいね。
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