周囲への
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「柳君の彼女からケーキの差し入れです」
練習をしていたメンバーに静かに響いた柳生の声。もちろん、いの一番に飛び付いたのは丸井と赤也だ。そして、精市のじゃあ、休憩にしようかと言う声でケーキの箱を柳生から奪った丸井は赤也と共に部室に戻って行った。その後ろからノロノロ部室に向かうのは、柳生と仁王とジャッカル。ういの甘いのもちょっと苦手な人にもビターあるからねなんて言った声で意外な事に弦一郎が反応した。精市と一緒に部室に向かい始めた弦一郎の後ろから俺とういは着いていく。
「差し入れありがとうな」
「ううん。私これくらいしか出来ないし。でも、マネージャーでもないのに勝手にごめんね」
「いや、いいんだ」
部室のドアを開けるともう丸井と赤也は皿とフォーク全員分用意してもう食べ始めている。
「これって駅前のケーキっスよね!」
「そうだぜぃ。ういよく買えたな!」
「たまたま空いてたんだけどね。だからみんなにどうかなって思って。喜んでくれてよかった」
俺達もそれぞれにケーキを選んで席に着く。ちゃんと俺が好きそうなケーキがある所はさすがだろう。なかなか美味しいねなど口々に感想をのべる部員。隣でケーキを食べているういをふと見ると手にクリームがついていた。
「うい。手にクリームがついているぞ」
「あっ。ほんとだ。確か紙ナプキンついてたよね」
そうケーキの箱に手を伸ばしたういの手をとって俺は手についていたクリームを舐めた。
周囲への
(((こんな所でイチャつくなよ……)))
(どうした? うい。)
(ちょっ! 蓮二のバカ!!)
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