HAPPY VALENTINE

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「はぁ……」
「何だ。そのあからさまな溜息。激ダサだな!」
「あんたなんかに乙女心がわかるわけないよね」

そう言ってきた宍戸の机周りも相当のチョコの数。本当にテニス部ってモテる。だからこその溜息なんだけど。あちこちから騒いでいる声が聞こえる中、騒いでる集団がこちらに。そっちを見てみると長太郎だ。宍戸に会いに来たのかな。宍戸からチョコなんかもらえないぞ。

「チョコもらおうなんて思ってませんよ」

何。この子。読心術? 読心術なんて使えませんよ。声に出てましたよ。先輩。そう言う長太郎の周りにもチョコプラス誕生日プレゼントの山。宍戸と今日の部活の話をし始めた長太郎。周りを見渡すと私のクラスでまだ長太郎に渡せてない子達がそわそわしている。机に突っ伏していると長太郎が話しが終わったのかこちらに話しかけてきた。

「その鞄の中のチョコ……。朝とかに渡せなかったんですか?」
「女の子の気迫がすごいっていうのは長太郎の方がよく知ってるでしょ?」
「……そうですね。あっ、携帯光ってますよ」

長太郎あんま人の鞄ん中ジロジロ見てんじゃねーよと宍戸が一言。そうだそうだと心の中で返しながら携帯を確認する。メールが来たようで、メールを開く私。お前ニヤついてんじゃねーぞ。気持ち悪ィ。そう言う宍戸を横目にわかったと打って返事を返した。


HAPPY VALENTINE
(放課後、待ってるからな)

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