氷帝雪合戦大会

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朝、目が覚めて、いつものように窓の外を見ると雪が積もっていた。携帯が光っているのを確認して、メールを開く。今日の部活は中止なのだろう。それか体育館で筋トレか。メールを開いたそこにはこんな文。



氷帝雪合戦大会!!!!!



「なんなんですか。あのメール。筋トレとかそういうのでいいじゃないですか」

とりあえず部室に向かった俺。もうすでにみんなジャージに着替えていて、その上からコートを羽織っている。

「本当にやるんですか?」
「雪かきのついでらしいよ。まぁ、息抜き程度って事で」

近くにいた滝先輩に声をかけると、そう答えられた。跡部さんがまだ来ないので、それぞれ部室で過ごしていると遅れてマネージャーのういさんが入ってきた。

「もう何でこんな日にまで呼び出しがかかるのよ。練習じゃないんだったら私いらないじゃない!」

仕事は無いと思っていたらしく、跡部さんに対してすごく怒っている様子。そして、そんな企画を立ち上げた張本人の登場だ。

「今から雪合戦を始める!」

向日先輩と芥川先輩は妙にテンションが高い。しかし、何で急に雪合戦なのだろう。ルールの説明が始まった。ルールは、3回当たったら負け。3回当たった人が3人になったらそこでゲーム終了というもの。

「そして、その3人は以外はういに作ってもらったおしるこをプレゼントだ!」

はぁ? と言う顔のういさん。材料買ってこないといけないじゃない。本当めんどくさい事考えるんだからとさらに怒り気味。しかし3回当たらなかったらういさんのおしるこが食べられるのだ。これは少し頑張らないと。


今日は雪合戦になったそうだ。だったら私はいらないだろう。しかし、呼ばれた理由はおしるこを作れとかそんな事だった。めんどくさいと思ったけど、別に参加しなくてもいいのだったら別にいいかと思い買い出しに出掛けた。東京では珍しく積もっている雪道を歩いていると後ろから誰かに声をかけられた。

「あれ? 氷帝マネの?」
「え? 立海の? ここは東京だよ?」
「あぁ、まぁ……。わがまま部長のせいで。何かね、私の所雪合戦が始まっちゃって……」
「読めた! 何か特典をつけろって事で何かつくらされるんでしょ?」
「当たり!」
「立海もかー。私の所もなんだよね。男って考える事は一緒だねー。どこの店に行くの?」
「ここなんだけど」

行き先の書いてある地図を覗き込むと買い出しの所も偶然一緒だったので、ガールズトークしながら、買い出しを済ませ学校に戻った。

「あれ? 樺地君?」
「……3回当たってしまいました……」

そっか。体大きい分守りにくいもんね。手伝います。と言ってくれた樺地君にありがとうと言い、部室に戻った。戻った途中飽きて寝てしまったジロちゃんに宍戸とがっくんが雪玉をぶつけていた事は黙っておこう。作っているところで、ジロちゃんのおしるこぉぉおおと叫ぶ声が聞こえた。がっくんあたりが上手い事告げ口したんだろうな。出来あがった頃には最後の1人がっくんが3回当たっていた。

「くそくそっ」
「ちょこまか動くからやで。」

勝者はおしるこを食べ、樺地君とジロちゃんとがっくんは残っていた雪かきを始めた。


(雪かきご苦労様)
(ありがと! ういー! うれC)
(ういさすがだな! ありがてーぜ!)
(……ありがとうございます)
(後で3人に配ったのは秘密)

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