真逆で好印象

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「……仁王雅治。みんなが思っているイメージより大分違うのね」

彼に定着しているのはまず通り名。『コート上のペテン師』。髪を染めているだけあって相当な遊び人。泣かせた女は数知れずなプレイボーイ。みんな通り名から連想していたり容姿からだったりだけのイメージだと思う。だって今こうして私の前でそれらと真逆な事をしているからだ。そんなに「す」を繰り返すヘタレは見た事が無い。

「……す……す……好きじゃ」
「ごめんなさい」
「なぜじゃ? イメージと違ったからかのう?」
「いえ。私はイメージとか気にしない人間だから。ただ、ちょっと面白いモノ見てしまったみたいね」
「…………」
「そうね。お友達から、なんてのは不満?」

首を横に振った仁王。

「お友達からでよろしくなり」

そう言って仁王は扉のドアノブに手を掛け、扉を開けた。そこで足を止め、頭だけこちらを振り返った。聞こえる程度の声だった。

「必ず惚れさせるぜよ」


真逆で好印象
(いいかも。なんて、)


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ヘタレ仁王はいいです。仁王は努力家だと思います。

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