疲れた日は腕の中

.

「あーかや。遊びに来たよー」
「いらっしゃい! 先輩! 散らかってますけど、テキトーにそこら辺座ってください!」
「ありがとー」

今やって来たのは、美鈴うい先輩。立海大を卒業していて今はOLとして働いている。俺が高等部1年の時に出会ったから先輩はその時大4だった。出会いは勿論テニス。高等部のテニス部がなぜか大学のテニス部と合同練習をした時だった。あの時の先輩は就活で忙しかったのに、テニス部に凄い打ちこんでいたのを覚えている。おかげでギリギリになって、今の所に就職が決まったそうだ。付き合い始めたのは先輩が卒業する3ヶ月前だった。あれから2年経って、俺は高3。先輩は社会人歴2年になった。下に置いてある物をどかした先輩はコンビニで買って来たビールを飲みはじめた。あぁ。今日は泊まりか。お酒に弱い先輩はいつもチューハイしか飲まない。

「聞いてよ! 赤也!」
「はいはい。また上司っスか?」
「それもあるけど……。新しく入って来た新入社員が書類ミスったんだけどね。私が責任取らされたんだよ!! アイツだけさっさと帰っちゃって。それで、その書類は上司が確認するんだけど、その時にお前の指導が足りないからこうなるんだぞ。俺なんか家族待たせてるのに……。こんな時間まで。全くって言われたんだよ!! 上司が離婚してんの社員全員知ってるっつーの! 新しい女をつくってるコトも!! あぁ! ホント腹立つ!!」
「社会人って大変ですね……。相変わらず。でも、先輩凄いじゃないですか。指導してるって」
「その指導も1年上の先輩から押し付けられたの。私だってやっと慣れてきた頃なのに。社員が少ないから余計に、分が悪いし……」
「先輩よくがんばってますね」
「赤也ー。君だけだよ。そんな事言ってくれるの。だから、今日は酔い潰れるから! だから、明日の会社の新年会私の代わりに断ってね。」
「なんすかそれ!!」


疲れた日は腕の中
(すいません。美鈴さんと同棲している者なんですけど、今日美鈴さん体調悪いんでお休みさせてもらいます)
(同棲……?)(もうそれでいいじゃないっスか。後、4年待っててくださいね)
それまでグチなんていくらでも聞くっス。


+++
一瞬ヒヨにしようか迷った。

.




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -