ホット缶ココアの季節
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テストの返却も終わった。あとは、冬休みを待つのみだ。大体テスト返却後の授業というのは、やる気がしないもの。先生達の授業のペースも心なしか遅い気もする。隣の席を見ると真面目にノートをとっている幼馴染み。よく、だらけないものだ。
「そう言えば若。テストどうだった?」
「普通だったけど。どうせお前は赤点ギリギリだったんだろ」
「そうだよー。良いの! ウチはエスカレーター式なんだから」
そのうち苦労するぞ。何て声が聞こえたけど、シカト。当の本人も言葉が返って来ないのが、わかると教室の前に掛けてある時計に目線を送った。つられて時計を見ると、6時間目終了まであと1分。
「そっか。今日から部活再開か」
「あぁ」
秒針が12を指してチャイムがなった。若を見ると、早くテニスがやりたくてウズウズしているみたいだ。ふと、若の後ろの窓に目をやると窓ガラスが外の気温差で曇っていた。
ホット缶ココアの季節
(買って待ってるね)
(いい加減ココアくらい自分で作ってくれ)
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最近水色パーカー着てる若が頭から離れないんだ。若はいつまでも生意気でいいんだ!
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