ガッツリ盛られた次の日

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キッチンからは晋助が朝食を準備する音が聞こえる。今日は週初めの月曜日。私も起きて準備をしなければいけない。しかし眠気と体のダルさと腰の鈍痛で起き上がれないままでいた。

昨日の夜明日学校だからと何十回繰り返し言ったにも関わらず俺も学校だと晋助は律動を止めてはくれなかった。ホント最悪。

そんな私が起き上がれない原因を作った本人はのうのうとういの朝食出来たぞと様子を伺いに来た。本当に動く気にならない私はうーんと返事とも言えない反応を返す。喉も痛いなぁ。時間だけでも確認しようと時計に目を向けると7:20。晋助は8時までに学校に行かないといけないからそろそろ出る時間だ。

私も8時半までには着かないといけないからダルい体を起こして顔を洗いに行くことにした。勝手にタンスを漁るなといつも言ってるのに寝巻きのワンピースを着ていることには突っ込まないようにしよう。

リビングに出るとスーツをしっかりと着た晋助が鞄の中の整理をしていた。テーブルの上にはトーストとベーコンエッグ早く食べないと冷めちゃうな。

「おはようございます。喉痛い」
「ああ、おはよう。昨日はごめんな。
ういちゃん」

腰を抑えてる私を見て思ってもないことを平然と意地悪顔で言う晋助。……殴ってやりたい。

「今日月曜だよ？ もう体のあちこちが痛い気がしてきた」
「学校まで言ったらあとは座ってるだけだろ？」
「確かに今日体育はないけど」

まぁ、頑張って学校来いや。行ってくると額にキスを落としてさっさと玄関に向かっていった。……顔洗ってご飯食べよ。


重い体を引きずってなんとか学校まで辿り着く。席に座って机に突っ伏していると友達に肩を叩かれた。

「どうした？ 体調悪い？」
「ちょっと寝不足で」

土日はやっぱり夜更かししちゃうよねー。私も眠いんだーと欠伸をする友達の手には体育館シューズの袋。……あっ、全校集会の日か。立ってたくないんだけどな。私も机に引っ掛けてある体育館シューズの袋を手に立ち上がり体育館へと向かった。

体育館は全校生徒が集まるので整列をしなければいけない。整列と言ってもありきたりな背の順なんだが私は万年前へならえで手を腰に当てるタイプの人間なので背の高い友達を後ろに残し人ごみを掻き分けて前に行く。

前に行くと土方先生が自分のクラスがどこら辺に並べばいいか分かるように立ってくれていた。土方先生ほんと優しい。あの性欲の塊みたいな人が彼氏だと思うとついため息が出てしまう。いや、優しいんだけど、スイッチ入ると自分が満足するまで止まらないみたいな。

「土方先生、おはようございます」
「おはよう。美鈴。何か体調悪そうだな？」

別にこのうるさい中だ。聞こえないだろうと誰かのせいで寝不足でと答える。美鈴も大変だなと呆れた顔を教員が並んでいる方を見ながら土方先生は答えた。

全校朝礼は校長の挨拶があって生徒会からとかなんかお知らせがあって終了だ。校長のながーい話しが終わりやっと教室に帰れると安心したのも束の間。教頭の司会が次は養護教諭高杉先生からの保健指導ですと続いた。

マイクを持った高杉先生が涼しい顔をしながら壇上に登る。体育館は女子生徒の声でちょっとざわついている。相変わらずファンの多いことで。私は1番前でしかも2年生なので舞台のど真ん前。高杉先生ファンから言えば特等席とも言えるのが私の位置だ。っていうか保健指導ってあの人指導した方がいいからねホント。

内容は寒くなってくるので風邪に気をつけてください。今年のインフルエンザはなんちゃら型が流行りそうで……など小難しい話しをしている。家で保健指導めんどくせーを連呼する割にはきちんと原稿を作るもんだから仕事ちゃんとやってるんだなーって毎回思う。

ボーッと壇上にいる高杉先生を見ていると昨日はチューしてきたりだとか好きだとか目の前で言っていた晋助が先生として全校生徒の前でしゃべっているのいつ体験しても不思議な光景だ。昨日のことを思い出していたらなんとなくお互い目が合った気がして気恥ずかしくなってしまい視線を逸らしてしまった。

話しが終わり全校集会は終了。３年から順に教室に帰っていく。ああ、早く教室に帰りたい。



授業に向かう土方先生と保健室に帰る高杉先生の会話
「お前ちったぁ加減してやれよ。美鈴辛そうだったぞ」
「ハッ。お前も人のこと言えねーんじゃねーの。朝美鈴が昨日散々甘えられて学校で顔見るの気まずいって言ってたぞ」


（（暫くは自重すっか……））


・ヒロインちゃん達に家での行動をバラされて恥ずかしくなる2人