マヨラー

今は一応? 一応見慣れた光景だけど最初はとにかくビビった。

初めて私が家に行って料理を作った時のことだった。トシさんは無いと一言呟き冷蔵庫に向かった。

そりゃ初めて好きな人に料理を作って緊張していたから、無いと言われて何のことかはわからないままショックは受けていた。

好きな物が無かったのか。事前に調査をしなかった私が悪いのだけれど。ごちゃごちゃと考えている間に戻ってきたトシさんの手にはマヨネーズ。……作ったのは炒飯なんだけどな。

次の瞬間あろうことかマヨネーズ一本かけだしたのだ。緊張していた自分が何だか馬鹿らしくなるくらいかける。かけるっていうか一本丸々かけた。

「……土方さん?」
「何だ?」
「マヨネーズ」
「ああ、マヨネーズだな」
「マヨラーなの?」
「ああ」

何だか怒る気にもなれなくてそのまま流したけどやっぱり健康に害が出る様な量だったので今はカロリーハーフに変えてもらっている。

「土方さん。マヨ好きは構わないのでせめてカロリーハーフにしましょう。じゃないと別れます。ってか土方さん死にますよ」

トシさんが言うにはこの時の私はなんとも言えない気迫だったらしい。




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