3.広がる話

帰りに赤也を見ると幸村君と帰って行ったようだ。その後に真田が帰って行った。よくバレないものだ。

「じゃあ、丸井。俺と柳生は先に帰るな」

それぞれさよならをして最後に残ったのは俺とジャッカル。そういえば最近、仁王と赤也とばっかり帰っていたから久しぶりにジャッカルと帰るのもいいかもしれない。ついでにどっか寄り道していこう。

「なぁ、ジャッカル。久々に一緒に帰らねぇ? ついでに何か食って帰ろうぜ」
「あぁ、いいぜ。奢りはしないけどな」
「わかってるよい。じゃ、決まりな」

結局寄り道はいつものハンバーガー店。適当に話しをしていたらジャッカルからこんな話題が出た。

「何か最近赤也違うよな」
「まぁ、そうだろうな」
「丸井何か知ってんのか?」
「あぁ、まぁ。聞きたい?」
「そうやって言われると気になるだろう」

実はと赤也が真田の彼女を好きになってしまった事を話す。これで知らないのは柳と幸村君だ。柳生は仁王から聞いてるだろうし。幸村君は今日あたりにでも赤也から聞かされるに違いないだろう。

「それ早く教えてやったほうがいいんじゃないか?」
「いや、おもしろそうだから言わな いでおこうぜい」

わかったときどうなるんだろうと心配そうな言葉を言っているけどその顔はおもしろいものを見つけた顔をしていた。やっぱりそうなるよな。




「部長! 今日一緒に帰りませんか?」
「赤也が誘ってくれるなんて珍しいな。いいよ。帰ろうか」

みんなにさよならと言って赤也と部室を出る。そういえば最近赤也の調子がいいと真田と柳と話していたばかりだ。何かあったのか聞いて見よう。

「赤也。最近何かいいことでもあったのかい?」
「わかります? 実は最近好きな人が出来たんスよ」

ちょっと照れ気味にいう赤也は可愛かった。普段は手がかかるヤツだけど、こういう可愛い一面もちゃんとある後輩だ。それにしても好きな人か。俺の知ってる人かな? そう思って赤也に話しを聞こうと赤也を見ると少し困り顔をしながら話し始めた。

「でも名前がわからないんスよ。知ってるのは黒髪で放課後の図書室にいるって事くらいなんスけど。部長心当たりないスか?」
「うーん。図書室にいる子か。俺は結構図書室に行くからわかるかもしれない。読んでた本とかわかるかい?」
「確か部長がよく読んでる感じの画集ってヤツですかね」

……それって。ういのことだろうか。おもしろいことを聞いてしまったな。それにしても真田と赤也の趣味って似ているんだな。これは言わないほうがおもしろいな。

「部長何笑ってるんスか? もしかして誰かわかったとか?」
「ごめん。わからないや。これってみんな知ってるの?」
「仁王先輩と丸井先輩しか知らないっス」
「そっか。俺も誰かわかったら教えてあげるよ」

お願いしますと言った赤也の顔を見てまた笑いそうになるのを堪えた。



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